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第6章 推定未来
私はセンターから去ることになる。
博士に呼ばれた翌日、
演算能力が失われてしまったから。
何故かは分からない。考えても判らない。
職員が言うには、
本来なら15歳を超えると失われていく能力だが、人によっては早まる事もあるらしい。
演算能力を持つチルドレンを保護・監視するのがセンターの目的なら、能力がない私はもうここには居られない。
センターを出た後の住まいや学校への編入など、サポートの準備をした上での退去になるのはありがたかった。
サポートの名目で監視が付くとは思うが、まあ仕方ない。
センターを去る日、親友と同期が見送りに来た。
私の生活区画は職員と同じエリアに移され、2人はあれ以来会う事ができなかったので
嬉しく感じた。同じくらい疎外感もあった。
2人もいずれはセンターを出る事になるので、再会を約束して私はセンターを後にした。
私は学校への編入を希望しなかった。
住む場所さえあればこの世界で生きる事には困らないからだ。
駅に着いてふと、時計に目を向ける。
やはり3時5分だった。
電子掲示板には今日も犯罪・事故件数が表示され、13日連続の"0"が映し出されている。
「さて、どうしようか」




