前口上
一輪の花が咲いている
世界の誰からも、何からも忘れられた様なセピア色の荒野に
白く小さな一輪の花
それは、動物も植物も存在しない大地を照らす
唯一の命の灯火
その灯りは儚く、孤独
しかし決して消えることはなく、揺るがない
世界を照らすことを、自らの存在をあきらめない
雨に濡れようとも、嵐に吹かれようとも
かつて、その身を焦がした戦乱の如き炎に焼かれようとも
咲き続ける
それが語り部たる己に課した、ただ一つ残された意義であり、望みであり、約束
なんのため、誰のため
いつの始まりから、どの終わりまで
その問いに答えは必要ではない
ただ己の存在が必要なのだ
一輪の花が咲いている
その身に宿す魂を、宝石の様に煌めかせながら
この手の投稿は初めてになります。
様々な不慣れで至らない部分はあるかと思いますがよろしくお願いします。
好きな小説は1950~70年代の英国冒険小説類
非情な世界に漂う、いわゆるクサい浪漫が好きなのです。
そんな自分があえてベッタベタなボーイミーツガールでシンプルな王道ファンタジーに挑んでみました。
作品自体は完成しているのであまり間を置かずに投稿できるかと思います。




