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40/132

40話

 王都からの通信魔法によって現在、国が存亡の危機にあることを通達された

 副都付きの騎士団とアルビオナ教会にも通知があったらしく、三組織での共同戦線が張られることが決まった

 騎士団とギルドの冒険者が前線に出て、教会の者達が後方支援として回復魔法や補助魔法で支援することが決まった

 だが・・・

「圧倒的に戦力性あるっすね」

「ああ、絶望するほどにな。街の者の避難は済んだのか?」

「あと少しっすね。ったく、なんでこうも問題ばっか起きてるんすかねこの国は。少し前に王都の危機が去ったと思ったら次は国が存亡の危機っすよ。まぁ俺はこの街に骨をうずめる覚悟でギルド職員になったから、ここで死ぬってのも本望っすけど・・・。この国は俺の生まれた国、守れることなら守りたい」

「それは俺もだ。だが今回は流石に」

 確認されたオークは特殊個体が率いているという

 鑑定できる者の話ではオークセイヴァー、オークサバイバー、オークレイダー、オークプレデターという4体の特殊な個体がいたらしい

 特にセイヴァーの能力は自身が配下と認める全てのオークの強化と、強化しただけ自身を強化できるというもの

 あの数だ。その強化率は想像すらできず、Sランクの冒険者でも無理だろうことしか分からない

 騎士団期待の新人、か

 彼らがどれほどに戦えるのかが分からないが、今でも成長を続けていると聞く

 ゴブリンタイタンを倒したことからBランク以上は確実だが、それではだめだ

 今回のオークの氾濫、これに対抗するには、国の戦力だけでは全く足りない

 同盟国にもすでに要請は行っているだろうが、間に合わない

「ビーン、どのくらい食い止めれると思う?」

「そうっすね、騎士団のハール団長とキール副団長、それに黄の魔眼のアーガット、詩読みのルクル、騎士団としての最高戦力はこの4人っすね。あとはタイタンを倒した3人くらいっすか。副都や他の都市にも戦力を裂くなら、4人は別々になるはずっすね。それから教会からはリップ、まあリップはこちら側でもあるから副都に配置で間違いないでしょ。それからウィタ司祭は王都っすかね。彼女の圧倒的な回復魔法は広範囲をカバーしますから。それからギルド・・・。Aランク12名は4都市にそれぞれ3人ずつ配備、Sランクは2名っすから王都と副都でしょう。ただ、その他2都市に向かってきている特殊個体がどの程度の強さなのかってのが問題っすね。これで一時間もつかどうか・・・。しかも仮定でしかなく、未だ相手の強さを正確に推し量れていないこの状況じゃ、30分もてばいい方。加えてSランクの2人は確実に来れるとは限らないっすからね」

「やはりそうなるか・・・」

 隣国メイガ王国には絶対防衛騎士ナナノ・シチセイという女性がいる

 冒険者ギルド所属のSランクパーティー、黄金の爪のリーダだ

 彼女がいれば一つの都市を丸々覆えるほどの防御結界を展開できるんだが・・・、救難が間に合わないなら意味がない

 く、せめてバイスが生きていてくれれば

 バイスは数年前にSランクの魔物、グランドキマイラと戦い相打ちになって亡くなったこの国最強だった男

 彼ならあのオークだろうと撃ち滅ぼしていたに違いない

 戦力が、足りない

 だが諦めない

 人々の避難もあと少しで完了する

 全力を出し切り、同盟国からの救援が来るまで耐えきって見せる

 そう考えていると、扉が突然開いて伝令が入って来た

「ギルドマスター! 至急の要件です! 突如街の中央にオークの群れが出現! 現在騎士団と冒険者が迎撃していますが、このままでは押し切られます」

「なんなんすかこれ! 次から次へと問題ばっか!」

「落ち着けビーン! すぐに出る! 昔の仲間にも声をかけてくれ!」

「エラは役に立つんすかね!? あの大酒飲みの大喰らいが!」

「今はそんなこと言っている場合じゃないだろう。街の危機ともなればあいつも重い腰を上げるさ」

「そう願ってますよ!」

 ビーンは窓から飛び降り、駆けて行った

 元冒険者仲間の魔導士、エラを連れて来てくれるはずだ

 それにしてもどうして急に・・・

 そういえばゴブリン襲来の時も突然空間が裂けて増援が来たと報告にあったな

 恐らくこれもそれだろう

 俺は鎧と双剣を空間収納から取り出すと、それを装着して現場へと走った


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