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普通なりの異世界踏破   作者: DDD
第1幕【ダラトナ編】
9/49

第七話『ギルド』

 

「イフ先生!飯が食いたいです!」


 食うふうに耐えかねた俺は元気いっぱいにイフに懇願する。


『ギルドの酒場でご飯食べられるからそこまで我慢することだね。……っていうか君、お金持ってたっけ?』


「そこら辺は問題ない!ルピスから金は貰った!」


 俺の必死の説得(土下座)で快く金を渡してくれたルピスには感謝しかない。若干引かれ気味だったような気もするが、きっと気のせいだろう。


「ご飯食べたらどうするの?」


 シズクがこの先のことを気にし出す。


「ギルドってなんか仕事があるイメージだからそこで金を稼ぐ感じで行こうかなって思ってる。」


 ド定番の魔物狩りから薬草集めまで幅広くあると思ってるんだが、実際はどうなんだろうか?


◆◇◆◇◆◇


 お腹を空かしながら街の中を歩いていると、ようやく目的地であるギルドへとたどり着いた。


「うぉ、デケェ!近くで見たら迫力ありますなぁ!」


 想像以上の大きさを誇るギルドの迫力に俺は圧倒されてしまう。


『こんなとこに無駄に金使わずもっと別のことに資金繰りした方が良いと思うんだけどねー』


「まぁいいや。とりあえず入りまっせ。」


 いざ!オープン the ドア!


 俺は目を閉じながら勢いよく扉を押し込み意気揚々とギルドの中に入った。


 きっと筋骨隆々おっちゃんが酒とか酌み交わしてるんだろうなー!などと妄想しながら閉じていた目を開けると。


「……あれ?」


 俺の予想とは真逆にギルドの中は閑散としており、静まり返っていた。

 なんか思ってたんちゃう!もっと賑やかなの想像してたんですけどぉー!?


『全然人いないね。みんな仕事に行ったのかな?……まぁ、立ち止まってても仕方ないし、とりあえず受付行ったら?』


「う〜ん、それもそうだな。ご飯食べれる場所も知りたいしな。」


 イフの指示通り、俺たちは情報を求めて受付に立っている女の人に話しかけてみることにした。


「あ、あの〜。」


「なんでしょうか?」


「あっ、いや……その。ご飯食べられる場所ってどこかなーって。」


「それなら右手側にある扉を開ければ酒場に入れますのでそこで食事や宴会を楽しんでいただく形になっております。」


「あ、ありがとうございますっ……では失礼します。」


 俺は受付嬢さんの話を聞き終えるとそそくさと受付から離れていった。


「ふぅー……パーフェクトコミュニケーションだったな!」


「いやどこが!?」


 シズクにすごい勢いでツッコまれる。

 うるさいなぁ。あの受付嬢さん無表情なんだよ!

 何考えてるから分からんくて怖いんだよ!


「……よし、気を取り直して酒場に行くぞー。ってか、隣の建物が酒場とかじゃなく、建物内に酒場が内包される感じなのね。」


『どこの街のギルドもだいたいそんな感じだよ。』


「そういうのはどうでもいいからお腹減ってるんだから早くご飯食べに行こーよ。」


 シズクの言う通り腹はかなり減っているので俺たちは酒場の中に入っていった。


「うわっ!漫画見たことあるような酒場きちゃー!」


 木の椅子とか机があちこちにあり、漫画とかでよくあるでかい樽が見られた。


「ギルドの受付のところにはあんまり人いなかったけど、ここには結構いるんだね。」


 でも個人的にはいっぱい人がいるとキョドるから少ない方がいいけどね!奥の方で座ってるガタイが良くて顔がめっちゃ怖い人達は話しかけられたらチビるかもしれんぜ!


 そんなことを考えながら俺は適当な席に座り、店員を呼んでいくつか注文をして料理が来るのを待った。


「よく知らん名前の魔物の肉とか怖いから俺が唯一戦った魔物であるウルフのステーキってやつを頼んでみたぜ!」


 他にはミルクスープとかサラダとかは食べられそうだったから注文してみたぜ!まぁ名前は異世界とここで違うだろうけどな!

 ……それにしても翻訳機能が無かったら変なゲテモノ頼んでたかもしれないな!


 ※翻訳機能は傑がイフに貰った能力の内の1つで異世界のよく分からない言語を傑でも分かるような言葉に置き換えています。


『君って独り言多いよね。』


「うるせぇやい!陰キャくんは人とあんまり喋んないから独り言増えるの!」


「あっ、ご飯来たよー」


 シズクの声に釣られてテーブルを見ると、目の前に次々と品が置かれていく。そして香ばしい香りが鼻腔を刺激し、食欲を増大させる。


「はいっ!ってことでー、いただきマース!」


 ゆっくりとフォーク、ナイフを使って料理を口の中に放り込み、しっかり味わうように噛み締める。


「……うーん。まぁ……うん。食文化が発達してる日本とあんまり比べちゃいかんよな。」


 肉が硬ぇ。味はまともなんだがー。なんだろ。物足りない感がすげぇ。ミルクスープは味が薄い。だが文句は言いつつも無事に完食したぜ!


『腹は満たされたかな?』


「満腹にはなった。……さて、どうしますかね。」


 ここからどうすりゃいいのかがあんまり定まってないからな。目標までの道筋がなぁ。


『なら受付の方で冒険者登録してきたら?』


「冒険者登録ねー」


 冒険者登録というのは自分の職業を冒険者として設定すること。これをすることで他の町の検問を突破でき、ギルドから出る依頼を受けることが出来るのだ。


 ちなみにこの情報はルピスに教えてもらいました!


「それよりも早くお会計したら?」


「分かってやすよ。そんなに急かさないで欲しいでやんす。」


『口調がブレブレすぎやしないかい?』


 イフのツッコミをスルーしながら会計を済まし、俺たちは再びギルドの受付へとやって来た。


「あ、あの〜」


「はい。なんでしょうか?」


「冒険者登録をしたいんですが大丈夫ですかね?」


「はい。大丈夫ですよ。では手続きを行っていきますね。こちらの紙に個人情報を記入してください」


「は、はい。分かりました。」


 受付嬢さんの指示通りに、俺は名前や出身地などを書き記した。ちなみに出身地はイフに教えて貰った適当なとこにしたぜ!


「書けました!」


「はい。確認させていただきますね。お名前はキサラギ・スグルさん。出身地はエスナ村。〜〜〜で合っていますか?」


「はい!間違えないです。」


「ではスグルさんの血液を取らせて貰いますね。」


 ………………ぬっ?

 受付嬢さんの言葉に俺は困惑を隠せずにいた。


「ち、血ですか?」


「はい。冒険者のライセンスを発行するのに本人の血液が必要なんですよ。」


「ち、ちなみにどうやって?」


「ナイフで少し切るだけですよ。そこまで痛くないので安心してください」


 いやいや視覚的に痛いんじゃが?注射よりも嫌なんですけど!?


「……わ、わかりました。オ、オネガイシャス」


 受付嬢さんがポケットから小型ナイフを出すと俺の指を少しだけ切りつけ、小さい紙で垂れてる血を受け止めた。


「はい。これで終わりです。では傷を癒しますね。」


 えっ?まさかホ〇ミ的なことが出来るのか!?


回復魔法(ヒールマジック)治癒(キュア)】」


 受付嬢さんがそう言うと指を暖かい光が包み込み、傷口を塞いでいった。


「おぉ!すげええ!」


 これが回復魔法か。便利ですな〜。冒険の際には必須級の魔法になりそうだからに早いうちに覚えとかないとな。


「ライセンス発行は30分ほどで終了するのであそこの席でお待ちください。」


「あっ、はい。」


 俺達は言われた通り席に座って待つことにした。少し時間がかかるようなので、暇を潰すために雑談を始めた。


「ちなみにイフさん?あの血を取ることがどうライセンスを発行するのに影響してるの?」


『血液に乗っかってる情報をライセンスに写す魔法があるんだよ。その魔法の効果で本人以外がライセンスを持つとライセンスが赤く染まるんだよ。それによって他人が不正にライセンスを使うのを防いでるんだよ。ちなみに本人が持つと元の色に戻るよ。』


 へぇー。対策バッチシってことかー。どういう原理なんやろ。……全くわからんな!まぁ魔法ってそういうもんか!


◆◇◆◇◆◇


「スグルさん。ライセンスが出来上がりましたので受付までお越しください。」


「了解しましたァ!」


 雑談をしながら待っていると受付嬢さんが俺たちを呼び出したので、駆け足で受付の方へ向かう。


「こちらがスグルさんのライセンスになります。無くさないように慎重に扱ってください。」


 俺の目の前に1枚の白色のカードを差し出された。カードには紙に書いた俺の個人情報が書き記されている。


「はい。ありがとうございます!」


 これで俺は正式に冒険者だぁ!日本にいた頃、毎度寝る前に妄想してた職業である冒険者についになれたぞぉ!!


「登録して早速なのですが依頼の受注を行いますか?」


 いきなりだな……まぁ俺もさっきの会計で金使ったから多少は稼がないといけないしな。


「具体的に何がありますかね?」


「あなたのランクで受けられる依頼は薬草集め、掃除などですかね。」


 魔物退治なかっだぁぁぁぁあああ!


 ちなみにランクはD~Sまであるぜ!

 強さを並べるとこうなる!


 S:化け物。

 ある1つの分野において規格外の事をする。


 A:一般人が到達できる最高地点。

 達人級の技を身につけている


 B:最も人が多いランク帯。

 1人でも複数の魔物と戦える。


 C:少し強い一般人くらい。

 1人でも魔物とタイマンできる。


 D:ただの一般人。←今の俺はココ。

 雑用などをこなす。


 Dランクは依頼をこなすことでポイントが貯まっていって一定を超えると昇格する。

 ただし昇格するには試験を突破する必要があり、その日に突破出来なかったら別の日に挑戦といった形になる。

 ……まぁ、長々解説したがとりあえず今の俺には雑用しか依頼がないって訳!


「……じ、じゃあ薬草集めるやつでお願いします。」


「分かりました。では袋を貸し出すので袋の中に15本の【クラナそう】を集めてもらいます。期限は今から2日間です。」


【クラナ草の解説】

 ・身体を癒す赤色のポーションを作るのに必要な薬草。


「了解しました!では行ってきます!」


 俺は受付のお姉さんから袋を貰うと勢いよくギルドの外に飛び出して行った。


「さぁ!初任務だ!腕が鳴るぜ!」



傑たちの初仕事!いったいどうなるのか!この後の展開にご期待ください!


次回に続く

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