プロローグ『運命の出会い』
現在、修正中なので、あまりお見せできるような感じになってません。
すいません
俺は、真っ白な空間にいた。
なぜかは分からない。気づけば、俺はそこにいた。
そこは均等に区切られた立方体の部屋で、中には煙を焚いたような靄が充満している。
――ここは、いったい。
何かないかと目を凝らす。意識を集中させると、次第に靄がゆっくりと渦を巻き、二つの人影を形作った。……一人はうすら笑いを浮かべた少女、もう一人はその少女より一回り大きい猫背の男だった。
二人は身振り手振りを交えながら、何かを話している。
そして俺は、そんな彼らを俯瞰するように見下ろしていた。俺は少し高い場所に立っているのか、それとも宙に浮いているのだろうか。
なんとも異様な状況ではあるが、不思議と違和感はない。むしろ、のめり込むように意識が二人へと引き寄せられていく。
特に気になるのは男のほうだ。ぼやけて顔立ちははっきりしないが――ふてぶてしい感じが、どことなく俺に似ている気がした。
「これでいいのかい?」
透き通った声が響いた。女の子の声だった。俺の視線が少女へと移る。
少女は男を上目遣いで見つめ、男は後頭部をかいた。
「うん、多分……恐らく大丈夫」
「推定が二つも混ざってるんだけど……不安だ。召喚やり直そうかな」
「気落ちするから、そういうこと言わないで」
「ごめんごめん。じゃあやり直し。――頑張れ。健闘を祈るよ」
少女は口角を上げ、男の背後を指し示す。
その指先を追うと、まるで最初からそこにあったかのように魔法陣が浮かび上がっていた。
青白い光を放ち、難解な文字が刻まれたそれは、どこか異界への入口のようにも見える。
「頑張っていってきます」
「頑張っていってらっしゃい」
男は軽く手を振り、少女に背を向けて歩き出す。
俺はそれを追いかけようとした。だが、なぜか体が動かない。首から上は動くが、それより下は何かに押さえつけられているかのように、ぴくりとも動かなかった。きっと、拘束具を取り付けられた死刑囚は、今の俺と同じ気分なのだろう。
次の瞬間、耳鳴りが響いた。ブーンというエンジンの排気音のような低音。
それと同時に、鋭い痛みが頭を突き抜ける。
衝動的に耳を押さえようとするが、腕は動かない。出来るのは歯を食いしばることだけ。
――た、すけ……
滲む視界の中で、俺は男に助けを求める。
だが男はこちらを一瞥しただけで、すぐに視線を魔法陣へ戻した。そして苦しむ俺の存在などないかのように、悠々と歩みを進めていく。
男と魔法陣の距離が縮まるたび、耳鳴りはさらに鋭さを増し、より痛みを感じるようになった。
やがて男が魔法陣の中心に立つと、足元から眩い光が溢れ、男の体を飲み込む。と、同時に俺の意識も暗闇に飲み込まれていった。
◆◇◆◇◆◇◆◇
ウーウーとけたたましいサイレンと、焼けたゴムのような匂いの中で俺は目を覚ました。
目に飛び込んできたのは、道路だった。通学路の中腹くらいにある、古びた電柱と真新しい歩道橋がシンボルマークの道路。
登校中、毎日のように見る光景だ。ただ、普段と違うのはそれが横倒しになっていること。
――倒れてる?
そこで頬に触れるコンクリートの冷たさに気づいた。どうやら、俺は倒れているらしい。
なぜそうなったのかは思い出せないが、とりあえず起き上がろうとした。しかし、体はピクリとも動かない。脳の命令を体が拒絶していた。かろうじてまともに動くのは眼球だけ。
足元には俺のリュックと、奇妙な方向にねじ曲がった自転車が転がっている。頑張って視線を動かせば、道路の車が何台か止まっているのと、反対の歩道にかかしのように棒立ちしている人だかりが見える。
――なんだこれ。
疑問が心を埋め尽くす。
異常な光景に困惑していると、喉の奥から何かがせり上がってきた。
突然の吐き気に耐えきれず吐き出すと、鉄の味が口いっぱいに広がり、灰色の地面に赤が飛び散る。
――血? 俺の血?
理解した途端、体を駆け巡っていた熱が急激に引いていく。命が抜け落ちていくような感覚。おそらく、見えていないだけで口以外からも血が流れているのだろう。死が急速に近づいている気がする。
幻聴なのか、複数の足音まで聞こえ始めた。急ぎ足でこちらへ向かってくる。死神の足音にしては、やけに感情がこもっている。
「大丈夫ですか! 意識はありますか!」
紺色の服を着た男性が、俺の顔を覗き込む。
どうやら、聞こえたのは死神の足音ではなかったらしい。わずかな安堵に包まれながら返事をしようとするが、「あ……」とかすれた声が漏れるだけで、うまく言葉にならない。
俺は痛みに顔を歪めながら、目で必死に動けないことを訴える。
すると男はすぐに仲間を呼び、落ち着いた声で何度も励ましの言葉を俺に語りかけた。
やがて体の下に担架が差し込まれ、俺は持ち上げられる。そのままストレッチャーに乗せられ、救急車へと運び込まれる。
仰向けになって揺れる視界の端に、顔の潰れた車と、そこから引き出される人影が映る。頬を紅潮させ、警官に怒鳴り散らす中年の男。
その光景を見て、欠けていたものがぴたりとはまった。目の前が赤く染まり、血が沸き立つ。
――クソ酔っ払いめ。
言葉と血を吐いて、そこで意識は途切れた
初投稿なので、稚拙な文章ですが、応援よろしくお願いします!
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