05F 植物(ボタ)の錬金術師~道化面(ハーレクイン)の女 5
大望を前にしたつまらない感傷、そんなことは百も承知だ。それでもまだ私は鍾子のことを諦めきれないことに改めて気づいてしまった。
思えば私は鍾子の隣に立つことを怖がっていた。かつては母さんに、その後は鍾子という同志に依存することで駄目な自分を許して生きてきたからだ。
私を見る鍾子の目は母さんに似て優しかったが恋人のそれではなかった。いつも寂しげだった。それでも鍾子は辛抱強く待っていてくれた。それなのに私は伸ばしていたであろう彼女の手を握れないまま別れてしまった……。
私は今度こそ鍾子の隣に立ちたい。同志という逃げではなく、両輪という本当のパートナーとして。
もうウダウダ悩むのは止めだ。それが何だ? 最後に幸せならばよかろうなのだ!
ん? それでも本当にフラれてしまったら? お、おう……そこは考えてなかったわ。それでもあえて言おう。負けること考えてリングに上がるバカいるかよ、と!
……あー、やらかして済まなかったな。悩み多き中学生ってことでそこは大目に見てくれくれると有難い。
今後の方針だが私は鉱物のスペシャリストを目指すことにする。ただし実は今すぐには使わない。交渉が決裂したときの保険の意味もある。あまり考えたくはないが。
そうなると私がやることも見えてくる。魔子の底上げと能力の開発だ。特に戦闘に使える必殺技的なやつをな。……特訓か。スポ根マンガっぽいのは嫌だから修行だな。




