05A 青春金網デスマッチ VS.「純然たる暴虐非道」蛾眉丸純兵 7
女の口笛はなおも続く。蛾眉丸純兵は手足を突っ張らせ大の字になって何かに耐えているようだった。
だがしゃくるような呼吸音と繰り返す痙攣が急に止むと、限界を超えた蛾眉丸の体を一本の木杭が貫いた。内から勢いよく飛び出したそれはまさに杭だった。槍や大弓矢のイメージではない。
のけぞった蛾眉丸の口と肛門を一直線を結んで貫く串刺しの異様さは百舌のはやにえを思わせた。人間の身体でそれをする百舌がいるならどれほど巨大な化け物か。あるいは中世のヴラド・ツェペシュの刑罰か?
口笛が止んだことに気付いて私が声を掛けようとすると、女はそのまま後ずさって溶けるように夜の闇に消えた。仮面の白さが強く目に焼き付いた。
後に残された蛾眉丸の死体からは、杭が縮んでいくと同時に今度は蔓が飛び出した。皮膚を食い破って這い伸びる無数のそれに血を吸われているのか体が見る間にしぼんでいく。
そしてその蔓は徐々に蛾眉丸の体に巻き付き締め上げていく。脆くなった全身の骨が砕ける音がする。そして最後にそれはバレーボール大の丸い塊になった。これは種子なのだろうか?
私はそれ以上変化が起きないことを確かめた上でその種を【収納】した。一瞬躊躇いはしたものの今は少しでも情報がほしいのが本音だ。それにこれが蛾眉丸のなれの果てだと言っても誰も信じないだろうしな。




