057 青春金網デスマッチ VS.「純然たる暴虐非道」蛾眉丸純兵 4
キメラはホムンクルスの探求を模索する過程で生まれた。その結果地球では獣人や妖怪などを作りだし多くのUMAの伝説を残したが、所詮はホムンクルスたり得ないまがいものでしかなかった。未知の物語を紡ごうという人間がつぎはぎのドラマや劇で満足できるわけがないのだから。
またキメラは繁殖力が弱かったり短命だったり知能が乏しかったり、成果としての魅力に欠けていて次第に廃れていったのだ。
そのキメラの存在が再び脚光を浴びることになるのは大規模転移による事故がきっかけだったらしい。
かつて宇宙開拓時代は星が持っている魔子を利用した魔法陣を使って星同士を入れ替える開発が行われていたのだという。それがあるとき偶発的に生まれた宝の星に誰もが目を奪われることになる。
その星には体をダイヤモンドやルビー、プラチナや金など宝石や貴金属に置換された動植物(の死体)があったのだ。
そのせいで人々はこぞってこの事業に乗り出す。まさにゴールドラッシュだ。高純度の炭素燃料に置換された植物、決して彫刻家が作れない精密なクリスタルの魚(内蔵まで)、そして高濃度の魔子を蓄えた鉱石などが次々と発見され、日ごとニュースを騒がせたらしい。宇宙開発も弾みがつき誰もが狂奔していた時代だっただろう。
しかし箍が外れた欲望が大惨事を引き起こすのも、人間の歴史を見れば容易に想像がつくことだ。大規模転移に遊覧中の宇宙船が巻き込まれたのだ。
そしてそのとき乗船していた妊娠中の母親の双子になるはずだった子供が最初の換重合人間となった。




