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056 青春金網デスマッチ VS.「純然たる暴虐非道」蛾眉丸純兵 3

 寂しく灯る街灯の下でおれはバイクの音が迫ってくるのを待つ。蛾眉丸純兵の出方をシミュレーションして色々考えを巡らせていたのだったが、それをあざ嗤うかのように奴が取ったのはシンプルかつ最も効果的な方法だった。轢き殺す気かよ!

 引きつけて左に跳んで躱しながら、アクセルを握る右手を狙って鉄格子アイアングリットを振る。それを蛾眉丸が左手に持った鉄パイプで受け止める。それには凶器らしくバラ線が巻かれている。そういうところは手を抜かないんだな。


「簡単な仕事と思ったがなかなかやるな。どうせならもっと楽しませろよ」

 バイクを乗り捨てた蛾眉丸がおれに近づいてくる。煮染めたような色の作業ズボンにごつい安全靴、髪は伸び放題で乱れ放題。手にした凶器がアスファルトを擦ってカラカラと音を立てる。戦闘狂の本性を隠そうともしない。

 そしておれは蛾眉丸から膨れあがる魔子マミ混在・・を見て奴の正体が換重合キメラかそれに類するものだとの確信を強めた。


 生物においてキメラは染色体異常の一種だが、錬金術では既存の生命体を元に交配や移植、あるいは魔術で作られた生物のことを指す。そして換重合キメラとは空間転移を悪用・・して作られたキメラで、特にそれが人間だった場合は換重合人間グラビットと呼ぶ。


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