055 青春金網デスマッチ VS.「純然たる暴虐非道」蛾眉丸純兵 2
丁字信伍は蛾眉丸純兵に衣食住を提供する代わりに自分のトラブル解決に奴を大いに利用した。そして丁字のグループは急速に勢力を拡大していった。蛾眉丸が街からいなくなった後も、丁字は「いつでも奴を呼ぶことができる」と言って敵対する不良を脅した。
人を震え上がらせる蛾眉丸の強烈な暴力性は一度見せれば十分だった。ただ問題はその一度の私刑の的が遊茶公大で、そのせいで公大が足を失ったことだ。
それもあって私も蛾眉丸が出てくるならと情報収集や対策を怠らなかった。弔い合戦? 公大は死んでいないぞ。
私が水上錦次に接触した時に蛾眉丸の話も出た。外硫児架とバックのヤクザのところにいるのはドラッグのこともあるから予想はついた。
蛾眉丸はやはり行く先々でトラブルを起こしているらしい。そして話している間に確認すると、現在は私の街に向かって移動中との連絡があった。台風情報かよ。
そして水上のおっさんには「無理にとは言わんが」と前置きされた上で蛾眉丸狩りを依頼された。魔獣には鬼百をということか。
私はその場での明言を避けたが内心は依頼を受けるつもりだった。丁字や公大のこともあるが、蛾眉丸は普通の人間の手には余るだろうからな。
それに錬金術の負の遺産なら錬金術師が片をつけるのが筋だろう。




