053 愛と青春のケモノたち 8
これから上倉晴子にはJSTを流通させてもらうことになる。赤井と緑川は丁字信伍からの横槍を防ぐための盾役だ。
ただしJSTで金儲けをするつもりはない。やりすぎると丁字以外もトラブルになるからな。パッと流行らせてサッと引き上げるつもりだ。カタ屋かよ。
晴子は人気者になって輪の中心にいたいタイプで金儲けに執着する人間じゃない。ただしそのためには自分を磨くことも大事だと知ったはずだ。遊茶公大と競い合ってくれればいい刺激になるだろう。私につき合うつもりはない。しつこいな。
水上のおっさんの魔騎士魔武とは一時的な共闘だ。「うちはバッドなやつは禁止なんだよ」ということらしく、ヤクザをバックにした不良グループ、外硫児架はいずれ潰すつもりだったらしい。「これからも好きなだけ頼っていいぞ」とは言われたが、私も鬼百の名前を売りたいわけじゃない。赤井四葉にはバレたかもしれないが。
「そうだ! どうせならこのチームに名前つけましょうよ。はるちゃんズとか」
「うわ、ダセエな。晴子の部屋とかにしとけよ」
「思いっきりオバサンっぽいじゃないの!」
「じゃあ覇瑠呼組とか?」「ハーレー同好会とか?」
「ゼッタイなんか違う!」
おまえらもからかうのはそのへんにしとけよ。晴子にちなんでなら「サニーデイ・カンパニー」とかでどうだ?
「サニーデイ・カンパニー? うん! いいじゃない、それ」
「零一にしちゃあまともだな」
「悪くないな」「ああ……」
いいのかよ。あっさり決まったな。
そして赤井と緑川という飛車角を失った丁字信伍は、今度はあの男を私に差し向けてくるだろう。どうやら戻ってきているらしいからな。




