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050 愛と青春のケモノたち 5

 おれは赤井三矢に体内で培養コピーしたナノマシンを送り込んだ。それが遊茶小枝子のカチューシャの代わりだ。ナノマシンを通じての他人への【最適化】だ。【遠隔】とでも呼ぼうか。何、【遠隔治療】と言え? パチンコ屋のようで人聞きが悪い? 誰が聞いてるんだよ。

 

 赤井三矢は個室に移され検査やら何やらで病室はちょっとしたお祭り騒ぎだ。

 そんな中に赤井四葉あかいよつばが病室に現れた。赤井敬五が彼女のバイト先のラーメン屋「五代十国」に電話をかけたのだ。その後ろには緑川麻里を連れている。緑川達郎が2人に駆け寄る。

「四葉さん、姉貴も連れてきてくれたのか。だけど何でフラフラしてるんだ? 大丈夫か」

「タクシーなんてタルいから単車でカッ飛んできたんだよ。みんな道を空けてくれたしよ」

 彼女は地元の由緒あるレディース、血紅師ちべにしの現リーダーだ。ニヤッと笑う四葉に赤井きつねはあきれ顔になる。

「そりゃあ血まみれ(レッド)クローバーの前をふさぐ奴なんているわけねえけどよ。もうちょっとなんかこう……配慮とか」

「ああ゛? そうやって人をザンネンな眼で見るんじゃねえ!」

 おい、こんなところで姉弟ゲンカはやめろ。しかし三矢はそれを見て「懐かしいな」と笑う。これが赤井家では日常茶飯事だったのか?


「三矢……三矢! よかった、私……」

 麻里が三矢の痩せた手を握りしめる。

「聞いたよ。でもまあ……また頑張ればいいじゃねえか。しかし麻里も痩せたな。ちゃんとメシ食ってんのか?」

 三矢の飄々とした物言いに麻里の号泣が重なる。


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