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04E 愛と青春のケモノたち 3

 赤井敬五と緑川達郎が助っ人をやって金を稼いでいるのにはわけがある。

 赤井きつねの兄の赤井三矢あかいさんや緑川たぬきの姉の緑川麻里みどりかわまりはかつて『さびしぐれ』というデュオを組んで音楽活動をしていた。

 しかし赤井三矢は現在病院で昏睡状態となっており、緑川麻里は仕事もせず酒浸りの毎日だ。

 そんな中で赤井きつね緑川たぬきは「自分の食い扶持は自分で稼ぐ」と半ば強引に家を出てボロアパートで共同生活を始めたのだ。そこには親との不和も理由にあったんだろう。


 三矢と麻里の二人がこうなってしまったのは麻里のプロデビューの話が持ち上がったことが発端だ。麻里は『さびしぐれ』として三矢と一緒に活動することにこだわったが、麻里の両親は欲に目がくらみ三矢の両親に金を握らせ三矢を説得させた。そして三矢は「麻里の歌う姿をテレビで見せてくれ。成功を祈っている」との手紙を残して街から消えた。


 それなのに麻里のプロデビューは叶わなかった。芸能事務所の分裂騒動が起こり、引き抜かれたアイドルの卵が麻里の歌を歌って(・・・・・・・・)先にデビューしてしまったのだ。盗作だと騒いでも売れたもの勝ちの世界ではあとの祭りで、麻里は失意のまま帰郷することになる。


 しかし麻里はここでも再び絶望を味わうことになる。工事現場で働いていた三矢は転落事故で重体となり入院生活を送っていたのだ。自責の念に囚われた麻里は自傷行為を繰り返し、昼間は部屋に閉じこもり夜にはふらふらと出歩いて自販機で酒を買って酔い潰れた。

「私が馬鹿だった。なんであのとき……私は三矢がいてくれればそれでよかったのに……」

 麻里は今も泣きながらただそう繰り返す日々だと聞いた。


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