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049 本当はコワクナイ錬金術 合成偽薬JST~Just like starting over, today 1
トイレから上倉晴子が戻ってくる。結構遅かったな。
「仕方ないでしょ。はき替えてたんだから……って何言わせんのよ、馬鹿っ!」
私のせいかよ。ま、まあ着替えがあってよかったな。
今訊いたのは晴子が一服してきたのかと思ったからだ。実際一日にどのくらい吸うんだ?
その問いに晴子がびくっと肩を震わせる。
「一日に5本、最近はもう少しかな。……10本くらい?」
それはタバコのほうだろう。そのうちドラッグを一緒に使うのは?
「そ、そんなにじゃないのよ。勉強の前とか緊張したときとかのここ一番ってときだけ」
今更嘘をつく必要があるか? その回数が増えて買う金が無くなったんだろう。さっきの勝負の前も使ったんだな?
そう言うと晴子は泣きそうになりながら頷いた。
「やめられるもんならやめたいわよ。だけど踏ん切りがつかなかったっていうか……ほ、本当よ? 何かきっかけがあればあたしだって……」
その雨の中の捨て犬の目で私を見るのをやめろ!
分かったよ。そのきっかけに私がなればいいんだろう? だったらちょうどいい。晴子に人体実験のモルモットになってもらうか。




