046 かつて同志だった彼女のこと 3
その日から私と村瀬鍾子は同志になった。同病相憐れむというやつだ。宣言をしたわけでも約束事があったわけでもない。
正義のふりをしたイジメなんかで鍾子を死なせたくなかった。言ってみれば鍾子だって被害者だ。墜落する飛行機に残された客室乗務員のようなものだ。本当に責任をとるべきは他にいると分かっていても乗客は彼女を責めるしかない。
私はガッコウに行くようになった。私が鍾子を許したという意思を示したことで鍾子に対するいじめは沈静化していった。鍾子も毅然と反論するようになり、センセイも味方になった。そうなるともともと優秀だった鍾子には女子を中心にトモダチが増えていった。
私は勉強の遅れを取り戻すため図書館で鍾子に勉強を見てもらっていた。トモダチから「つき合ってる」とかはやし立てられたが無視した。その反動でいじめの矛先が私に向くことになるのだが、それは織り込み済みだったから甘んじて受け入れた。クソったれな日常が戻ってきただけのことだ。大したことじゃない。
ただ勉強会にかこつけて鍾子を囲み込みたい女子に「弱みにつけ込んで鍾子につきまとうクソ雑魚オタク」と言われたのには少し落ち込んだが。ああ、思い出したらこのあだ名がついたのはこの時からだな。




