03D 鴨女(かもめ)が泣いた日 1
校外模試の結果を見せ合ったときの上倉晴子はギャアギャアと本当に鴨のようだった。
「何よ275点って! あたしより45点も上ってどういうことよ!」
このぐらいの点数じゃないと黒天寺を狙うなんて言えないからな。当然の結果だ。晴子はカンニングだ誤判定だとまだ騒いでいるが、B組のトップは私だから一体誰の答案を見たというんだ? 誤判定は論外だ。
各教科60点合計300点満点で、私の国語55点数学58点理科57点社会53点英語52点合計275点。対して晴子は国語55点数学42点理科45点社会43点英語45点で合計230点。以前の私なら200点行くかどうかだったから晴子は楽勝だと思ったんだろうがな。
晴子はテストもノリと勢いで受けるからムラが出たな。村瀬鍾子の協力も無かったしな。晴子は典型的な文系で暗記ものはそれなりだが応用と思考の積み重ねが苦手なタイプと見た。苦手科目克服が課題だな。それとたまに新聞読んだほうがいいぞ。日妹先生からのアドバイスだ。
賭けの約束でいうと45点差は4万5千円か。なかなかアツくなる金額だ。
「そ、そんなの無理よ。だって……」
親衛隊や取り巻きをつなぎ止めておくのに大分金を使っているだろうからな。他にもな。
それでも見逃す気は無いぞ。実際に私が負ければ容赦なく取り立てるつもりだったんだろう?
「だ、だったら今度はそれを賭けてソフトボールで勝負よ! 今度こそギャフンといわせてやるんだから!」
往生際って言葉知らないか? それこそ深みにはまるってやつだろう。自分の親父を見て何故そこに気がつかない。
それとギャフンって何だよ? 普通なら一生使わない言葉だろう。……ぎゃふん。なかなか楽しい響きだな。




