03B ゲームセンター(賭場)あらし 2
そしてこの作戦のキモは私が丁字信伍と顔を合わせないようにすることだ。そのために賭場にいるときは遊茶公大に辺りを見張ってもらっていた。もし丁字を呼ぶような動きがあるときはポケベルに合図をもらって退散する。もちろん公大にバイト料は払っているぞ。
賭場で荒稼ぎするもうひとつの目的は丁字と手下の不良どもを分断することにある。
どういうギャンブルだったのかの内容を見ていなければ、丁字は親をやらせた手下が熱くなったせいで自滅したのだと思うだろう。パンクで大損させられたという結果だけで手下を責めるに違いない。丁字は視野狭窄の上に短気だからな。
そして私には手下がリンチに合って借金を背負わされることも容易に想像がつく。その後で私に報復にくるところまでがワンセットでな。
私はその不良を返り討ちにしたあとで「私もやりすぎだったな。少し返すわ」と勝った金から詫び料だと言って半分ほど返してやる。そうしておいて私はそのかわり丁字と手を切れと唆すのだ。暴力バーで客が帰るとき「少し返してやるから警察には行くなよ」というよくある手口だ。もともと私の金じゃないから困らないというのもあるがな。
そのことに感謝したり涙ぐむ不良もいるが、さすがに単純すぎだろう。そんなことじゃ大人になったら二束三文の絵を買わされたりネズミ講に身ぐるみはがされるぞ。




