036 暴君殺しのプレリュード 1
上倉晴子はタバコだけでなくおそらくドラッグにも手を出している。私が体臭と言ったのはそのせいだ。いい塩梅に脳のとろけたヤンキーどもと同じ匂いがしたからな。奴らはドラッグをシガーパイプに仕込んでタバコと一緒に吸っている。
このガッコウでの流通の元締めが丁字信伍だということは容易に想像がつく。金と権力に敏感だということもあるが、高校生への上納金と絡めて一枚噛んだのだろう。その後ろに暴走族、さらにヤクザがいるという構図が浮かぶ。
丁字のことは実際直接仕掛けてこなければ後回しにして放っておこうとも思っていた。私に毒の類いは効かないからな。それでも小ずるい嫌がらせと関節技は地味に効いてくる。後顧の憂いを断つ意味もあるし先手を打っておくか。
それとあえて言っておくが、晴子のことはただのきっかけだ。つきあう気はまるでないぞ? ああ、本当だぞ。ゼロワンもしつこいな。それ以外にも暴君殺しの理由はいくつもあるからな。
遊茶公大が闇討ちで足を失くしたのは丁字の指示だ。
不良どもは金で縛られて丁字の手下になっている。赤井と緑川も丁字の用心棒だ。
そして丁字の父親は日妹慶子の私の貯金泥棒の片棒を担いだ郵便局長だ。




