035 ダフィー・ダックのような女 5
校外模試までは10日ほど間がある。晴子も鍾子とよく対策を練っておくんだな。
そう言えば村瀬鍾子はどこを受験するんだ? 神崎龍斗なら黒天寺を受ける可能性があるが、もしかしてカップル受験ってやつか。それもなんかムカつく。
「あら、鍾子なら2学期からずっと休んでるわよ。知らなかった?」
何でだ? あの日のあとなにかあったのか?
「さあ? あたしもよくは知らないの。気になる? そりゃあ抱き合ってキスした仲だもんね」
それは違うと言っただろう! あ、いかんいかん。私の魔子が漏れて上倉晴子を【威圧】してしまった。
「きゃっ! な、何よ急に。そんなに怒らなくたって……あ、あたしは信じてなかったのよ? そういう噂を聞いただけだし、鍾子も迷惑そうだったし……」
そのことはもういい。いずれ見捨てられたのは私のほうだからな。病気にしろ何にしろどうせ部屋では見舞いの龍斗といちゃいちゃしてるんだろうしな。……やっぱりムカつく。
「いいじゃない、鍾子のことなんか。だ、だからってわけじゃないけどほら、あたしで手を打って……」
いやそれは無い。大体タバコの匂いがさっきから鼻について嫌なんだが。
「えっ?」
香水でごまかせるわけ無いだろ。だいたい体臭というか染みついてるんだよ。
「も、もう! 恥かかせるんじゃないわよ! 後で後悔しても知らないわよ。ギタギタのケチョンケチョンにしてやるんだから!」
晴子は怒り心頭で去っていく。それは流行っているのか?
だが本当にやめたほうがいいぞ。遊びのつもりだろうがタバコもそうじゃないやつもな。




