034 ダフィー・ダックのような女 4
だったら晴子はどうしたいんだ? ケンカでも構わないが黙って殴られる気は無いぞ。パンチラで悩殺も効かないからな。
私がからかうと上倉晴子は思わずスカートを押さえる。
「バカっ! 忘れてって言ったわよね! そんなわけないでしょ。今度の校外模試で勝負よ」
なるほど。腐ってもA組だ。B組の私に負けるはずが無いという自信か。
ただそう簡単にうまく行くと思うなよ。私も黒天寺を狙っているからな。そう考えれば腕試しに丁度いいかもしれない。
それで勝負はどうするんだ? 教科ごとの点数か総合の合計か。
「総合点にしましょうよ。点数の差ごとに千円掛けるってのはどう?」
本気かよ。遊びの金額じゃない。10点差がつけば1万円だ。
「ふふっ、びっくりした? でもそのぐらいじゃないと零一も本気にならないでしょう?」
鼻で笑う晴子だがもう勝った気でいるのか? いいんだな。後で払えないと言っても知らないぞ?
「大した自信だけど零一こそ後で泣いても許してあげないわよ。で、でもほら! あたしは優しいからそうなったときのことも考えてあるわよ」
ほう、一応訊いておくか。何だよそれ。
「負けたら零一が……二人のかわりにあたしの家来になりなさい。それで許してあげるわ」
体で返せということか。だったら訊くが私が勝って晴子が払えないときもそれでいいのか?
「何よ。万が一にもそんなことないと思うけど……まさかあ、あたしと付き合いたいとか言うんじゃ……」
いやそんなつもりは全然無いが? じゃあ裸でグランド一周とかにするか?
「ばっ、バカじゃないの! そこはキ、キ……キスぐらいにしときなさいよ!」
晴子が真っ赤になって思わず自分の体を抱きしめる。キスもまだだったとは意外だな。悪い、謝るわ。とっくに体験済みだと勝手に思っていた。




