032 ダフィー・ダックのような女 2
そんな暮らしも上倉源一が県議の選挙に続けて落ちたことや、保証人になった借金で田畑をいくつも手放したせいで失速していく。周りの連中も家が代替わりして農業から離れると同時に上倉晴子をちやほやしてくれる家来も減っていった。
ガッコウでも家柄よりも勉強やスポーツといった個人の能力がステータスとなる。そうして見れば晴子のそれは平凡の少し上ぐらいだ。秀才ぞろいのA組に何とかとどまっているもののクラスでの成績は下から数えた方が早い。落ちこぼれ一歩手前という感じだ。
焦った晴子はクラスの外に持ち上げてくれる取り巻きを集め、花札トリオを親衛隊にした。質が駄目なら量でというつもりだろう。
村瀬鍾子には幼なじみをアピールして数少ないA組の友達のポジションを確保した。今では立場が逆転した鍾子にとっては昔されたことを思えば拒否することもできただろうが、あえてそうはしなかった。敵対する面倒を避けてなのか、小作人根性の抜けない親に言われたからなのかは分からない。
反対に私は取り巻きには誘われなかった。B組ですでにいじめの的のされている人間を誘う意味を感じなかったのだろう。そしてそれは私が鍾子をいじめに巻き込みたくないと距離を置いたことで決定的になった。




