030 青春金網デスマッチ VS.「荒れ狂うダンプカー」井ノ上琢郎 4
お約束だから言っておくか。井之上、お前の負けだ。ワン・ツー・スリー。
その場に井ノ上琢郎を寝かせて気を送ってやる。やりすぎた分サービスしておくか。それでもぶり返すことがあるからしばらくはおとなしくしてるんだな。
あとは後輩の部員どもがなんとかするだろう。そう思って立ち上がったときに児島草平と目が合った。今度はお前か? いいとも相手になるぞ。
「いやそれは……お、おい! お前らやっちま……な、何だよ、やれよ!」
そう言って児島は辺りを見るが、誰も動こうとはしない。賢明だな。私も無駄な殺生はしたく無いからな。
それで児島、お前はどうするんだ? ハンデなら竹刀を使ってもいいぞ。それとも今度は丁字を呼んでくるか? お前はあいつにケツ持ち代が払えるのか?
丁字信伍のあだ名は「手を汚さない暴君」だ。上納金で高校生をバックにつけ不良どもを従え、もめ事に首を突っ込み解決料という名目で弱い人間から金を巻き上げる。手は汚さないが心は金に汚れたハゲタカだ。大喜利か。
「くそてめぇ……覚えてろよ!」
児島は見事な逃げっぷりで第2体育館を飛び出していく。それを冷ややかな目で追う後輩部員ども。またひとつ居場所を失くしたな。




