02F 青春金網デスマッチ VS.「荒れ狂うダンプカー」井ノ上琢郎 3
「卑怯だぞ、てめえ! 竹刀を捨てろ!」
お前もブーメランか。またブーメランの説明が必要か? ブーメランとは……
「うるせえ! いいから柔道で来いって言ってんだよ!」
いいだろう。反則勝ちじゃお前も納得しないだろうからな。私は竹刀を捨ててじりじりと間合いを詰める。
しかし井之上琢郎は組むと見せかけて私の髪をつかんで膝蹴りを見舞ってくる。全然柔道じゃ無いな。だったらこっちも好きにさせてもらうぞ。
続けて蹴りにきた膝を下から抱えて後ろに放り投げる。そのまま抑え込もうとしたが井之上は反応よく起き上がって追撃を許さなかった。
「キャプチュードかよ! てめえ……そのパワー、鹿目をやったのもまぐれじゃないってことか?」
気付いたか。お前の力を見積もって【強化】をかけたんだ。これでハンデは無しだ。もちろんやりすぎないように十分加減しているぞ。イジメカッコワルイ。
気合いを入れ直し井之上が組んでくる。やっと柔道で勝負する気になったのか。しかし私はもうそれに付き合う気は無い。
井之上が引き寄せようとするタイミングで道着を掴んだ手を一直線に矢のように突き出す。腰を落とし刹那に打撃を重ねる。
食らった井之上の動きが止まり、私にもたれ掛かりながら膝をつく。
「な、なんだ、これ? おぶっ、気持ち悪りぃ……」
浸透勁での重ね打ちはやりすぎだったか、悪いな。頼むから吐くなよ。
私の重ね打ちは錬金術と勁をミックスしたものだ。一撃目に体を覆っている魔子を揺らす。石を投げた水面がくぼみ波が立つイメージだ。その薄くなった弱い部分に勁を乗せた二撃目を撃つ。教本を見て特訓した成果だ。




