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1AA おれたちの夏(たたかい)はこれからだ 11

 先手が喜四郎さん、後手がおれで局面が進んでいく。王手の連続に合い駒を打ち、筋を躱して逃げつつもおれの玉将が次第に追い詰められていく。そして最後の王手で投了した位置、7三玉がお宝の在処ありかというわけだ。

「そりゃあ分かったとして、その場所はどこのことを言ってんだよ?」

「ああ、熊金ん家は時宗だったな。この寺にはそういうのがあるんだよ」


 悟浄寺には河童に似せた信楽の置物が100体ほど置かれている。それは焼き物の妖怪でも悟れば石の地蔵に生まれ変わるという昔話的な訓話が元らしい。いずれこの河童を並べたのが二八兵衛だと寺には伝わっている。

 今は廃れたが古い文献によれば、本来願掛けや元朝参りで河童を拝む時には順番があったのだという。つまり九九で7×3=21、21番目に詣でる河童が目的のそれだ。


 その信楽の中に入っていたものが「これ」だ。それは橘高三十六が愛用していたであろう一尺二寸の鉄扇と遠眼鏡だった。本物は油紙に包んであったが、ここにあるのはおれが作ったレプリカだ。

「こいつが……お宝? じゃあ本物は鑑定にでも出してるのか? ほら、金無垢だとか骨董品の類いだとか?」

 残念ながらそういうものではありません。「世の中をひっくり返す金剛石の輝きのごときもの」というのはもっと普遍的な真理ものでしたよ。まあそこはご期待通りの結果にはなりませんでしたが。

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