1A9 おれたちの夏(たたかい)はこれからだ 10
解説のアシスタントに生徒会メンバーを追加。
一週間後、私と宝探しの面々は「ふくろう長者」こと二八兵衛の菩提寺、悟浄寺の庫裏に集まっていた。たどり着いたのは天野薫子と土方瑠璃を中心にした高校生ら、そして老人会とその孫たちを中心にしたグループだ。40人くらいか。本当に解けたかは別にしても、これだけの人間が巻き込まれて動いてくれたことは単純にうれしい。
正面に用意したホワイトボードに9×9の図が2つ並べて描いてある。早速答え合わせといこう。
最初はこのマス目をどう埋めるかという問題だが、一枚目の九宮の「呪文」に順に1から81の数字を振って魔方陣の作り方で埋めていけばいい。魔方陣とは縦横斜めのどこを足しても同じになるという数字のパズルだ。日本でも昔から知られていて、ちゃんと一定の法則性がある。
そうやって埋めた九宮に今度は別の意味を持たせてやる。一白水星を王、二黒土星を金というふうに将棋の駒に置き換えたものを隣の方陣に書き込む(九紫火星は駒なし)。すると方陣は将棋の盤面に様変わりする。二八兵衛は将棋指しのパトロンでもあったのだ。
出来上がった盤面の駒は後手が歩のみ10枚落ちの配置で、先手番は中飛車から王手がかけられる形になっている。いわゆる詰め将棋だ(残りの駒は後手の持ち駒)。詰め将棋は、将棋のルールを用いて王手の連続で相手の王将を追い詰めるパズルだ。朋子と今日子がホワイトボードをひっくり返すと、テレビの大盤解説のようなマグネットの駒が並んでいる。
そして祝子が詰め手順を書いたメモを手に相手役で反対側に立つ。
「将棋に馴れているほうがやりやすいだろう。それなら俺が先手をやろうか」
そう言って喜四郎さんが前に進み出る。やはり解いていたのか。さすが流石ながれいし。




