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004 クソ雑魚オタクのバラッド 4
その当てにしていたぼくのお金は郵便局に定期預金になっていて、18歳になるまでは月に一定の金額しか引き出せない仕組みになっていた。祖父が懇意の郵便局長と相談してそういう手を打ってくれていたのだ。
それを知った後妻はぼくをボロアパートに押し込み、家賃だ食費だと言って金をむしる方針に作戦を切り替えた。アパートに格安で住まわせてやっていることに感謝しろと彼女は言うがそんな気は全くない。唯一感謝することがあるとすれば、懲りずに嫁いびりをしようとした鬼婆を反対に追い込んで殺してくれたことぐらいだ。
その飼い殺しの状況が変わったのは連れ子が事故に遭ったせいだ。
後妻はぼくと同い年の連れ子を溺愛していて見栄を張って隣町の私立中学に通わせている。朝夕は送迎のため黒塗りのクラウンが田舎道を疾走している。
その連れ子が怪我で角膜を損傷して視力が低下した。下手をすればそのまま失明するおそれもあるという。そこで後妻はぼくに角膜移植の手術を受けるように迫ってきたのだ。




