024 不幸自慢からはじまる友情 2
私はアパートで着替えたあと秘密基地に寄って目的の物をリュックに【収納】する。2学期に間に合ってよかった。
何で学校で渡さかったのかって? 誕生日なら特別なイベントにしたいだろう。
アパートに行くと二人が私を待っていた。途中で買ったスイスロールを遊茶小枝子に渡す。「あいあおう」と応えて台所に持って行く。発音や抑揚はおぼつかないが声を発することはできる。聞こえなくても相手の唇を読んで理解することはできる。筆談もあるしな。
小枝子がケーキを切り分けている間に、私は【現出】させたものをリュックから取り出したようにして遊茶公大に渡す。ハッピーバースデー。
「これは……義足か?」
公大が驚いて目を丸くする。
良ければいま装着てみてくれ。調整したいからな。強度は大丈夫のはずだ。
椅子に座って装着する。台所から戻ってきた小枝子が義足を見て目を輝かせる。
小枝ちゃん、この良さが分かるのかい? さすが同志だ。
調整が終わって立ち上がった公大が部屋の中を歩く。左足に体重をかけてみる。
「……今のやつより軽いし確かにしっくりくるな。よく作ったな、こんなの」
前にガントレットを作ったことがあっただろう? その応用だよ。
私が作った義足は強化プラスチックの板を重ねたもので、芯にカーボンファイバーを板バネにして仕込んである。そして魔子を吸収する機能が装着の一体感を高めている。
生きている動植物は呼吸とともに魔子を取り込んでいて、その結果魔子は薄い膜状となって体を覆っているのだという。さらに体に欠損が生じてもしばらくはその形を保とうとするらしい。だから補う部分にもそういう仕掛けを作れば義足も体の一部と錯覚させることができるはずだ。




