020 ガッコウは弱肉強食のリング 2
私は昇降口でリュックから取り出すふりをして上履きを【現出】させる。下駄箱に置かないのは自衛のためだ。そして外履きのスニーカーを【収納】。
3Bの教室に入って廊下壁際の自分の席に向かう。机と椅子はあった。ただし皆と違う旧校舎時代の木製のボロいやつだが。天板に「日妹専用」と張り紙がしてある。
「気に入ったか? わざわざ持って来てやったんだぜ。大事に使えよ」
隣の席の児島草平が手を叩いてバカ笑いをしている。児島は柔道部の不良だ。ひょろりとしたやせ形で背が高くおまけに変に腕が長い。「手長ザル」のあだ名がある。
よく見ると机と椅子には細工がしてあるのが分かる。暇なやつだな。
私は児島の席に近づくと、机を持ち上げて中のものを床にぶちまけた。
「てめえ、何すんだよ!」
立ち上がったところを喉輪突きにして私の席に押しやると、児島が座った途端に机と椅子がバラバラになる。大・成・功ってやつだな。
「こ、このヤロー、クソ雑魚のくせに何のまねだコラ!」
児島は立ち上がると得意の奥襟をとろうとする。上背があるのを利用して上から押しつぶそうとしてくる。私はその手をくぐって体を潜らせ股間を殴りつけてやった。そのまま肩に乗せるようにして投げると児島は床に背中から落ちた。「肩車」一本ってところか。ちゃんと受け身をとれよ、柔道部。




