019 真夜中のアンチヒーロー 4
それでも挑んでくる暴走族は次第に増えていった。騎馬男爵に引導を渡すとき「百姓に負ける貴族って何?」とつい言ったのを聞かれたらしい。
胸に百姓と書かれたジョークTシャツを着たのも火に油を注いだようだ。無駄な争いを避けたかっただけで私に煽るつもりは全然無かったんだがな。本当だとも。
結局夏休みの間暴走族との抗争は続き餓狼々々、乱愚闘者、覇多離露などを軒並み返り討ちにした。おかげで亜空間収納庫が潤った。
その後事態は急転直下に終息する。ドライブイン「からしの」に広域暴走族、魔騎士魔武の支部長、水上錦次が現れ合同集会を開いた。集会では水上錦次が私に向けて停戦の声明文を読み上げた。椿事と言うほか無い。
当然その場に私はいなかったのだが、停戦を表明したことでこの辺りの暴走族との抗争は無くなった。今後はどこかで私を見かけても無視することにしたらしい。
ただこのとき水上のオッサン(25)が「しょうがねぇだろ。ありゃあ人じゃねえ、鬼だ。鬼百姓に勝てるやつなんていねーよ」と言ったせいで私には鬼百のあだ名がついた。
しかし「やりすぎると鬼百が出る」「オレらのバックには鬼百がついてる」と言われるのはいささか納得できない。私はゴジラとか大魔神とかなのか。




