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018 真夜中のアンチヒーロー 3

「ビビってんじゃねえ! 相手は一人だ。囲め!」

 それを待つわけが無いだろう。おれは指示したリーダーに向かって走る。

 リーダーが前に出れば士気は高まるが、頭を潰せば有象無象に成り下がる。どんなに数がいてもしょせんヤンキーだ。

 親衛隊らしき2人が前を塞ぐ。そして後ろからも2人。前は木刀にメリケン、後ろは鉄パイプにヌンチャクか。使えるのか?


 木刀が片手で振りかぶって袈裟切り。おれは踏み込んで手首を目がけて鉄格子アイアングリットを振り抜く。多分折れたな。

 後ろから鉄パイプがそれを槍のように突いてくる。それを脇に抱えてそのまま後ろに下がり背中が当たった所でそのまま振り返らずに顔を打つ。瞑想と聴頸の訓練の成果だ。今のおれは目隠しのままで吊した障害物を避けて歩いたり木人と推手シャドーができる。


 ヌンチャクが八の字に大きく棍を振り回しながら近づいてくる。おれ鉄格子アイアングリットを持ち替えて顔に向かって投げた。それを振り払おうとして無理に軌道を変えたため棍が自分を直撃する。練習不足だな。


 振り返るとしかしそこにリーダーとメリケンはいなかった。走り去るバイクの音が響く。我先にとヤンキーどもがリーダーを追って逃げていく。

 残されたのは20人足らず。お前らはどうするんだ? 今なら見逃すぞ。


 その後10人ばかりを戦闘不能にしたところで残りの奴らは逃げていった。正常な判断だ。つまり最後まで向かってきたのはドラッグで脳細胞がとろけた奴らということだ。

 そいつらは足を折ってやった。恐怖や痛みを感じなくなってる奴にはこれが簡単で確実な対処法だ。急に復活して襲ってくることがあるからな。


 折るときは「因果応報」「自業自得」「生きているだけ儲けもの」と引導を渡してやった。正義の味方を気取るつもりは無い。敵として向かってくる相手におれが退いてやる道理が無いというだけだ。

 置き去りにされたバイクは戦利品としてもらっておこう。どうせ盗難車だろうしな。

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