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017 真夜中のアンチヒーロー 2
そのときの私は農機具メーカーのツナギにジャングルハット、首に手ぬぐいといういかにもな格好だった。普通に考えれば真夜中にそんなのが走っていたら気味悪がって誰も近づいてこないだろうと思ったのだが裏目に出たらしい。
「ヒャッハ~、もう逃げられねえぜ!」
「フクロにされたくなかったらパンイチで土下座しろや!」
月並みのセリフを吐いて30人近いの特攻服のヤンキーが私を取り囲む。手にはそれぞれ木刀や鉄パイプを持っていて、その外側には何台ものバイクが周回している。ドラッグをキメているやつもいるようだ。
それを見て私は自転車を【収納】して十字架型のトンファー、鉄格子を【現出】させて構える。トンファーは攻防一体の武器だ。さらに持ち方で警棒や鎌のようにも使える。
ヤンキーどもは自転車が消えたことに一瞬驚いたようだったが、私が挑発して手招きすると奇声をあげて飛び込んで来る。
「調子にのってんじゃねえぞ! とっととくたばりやが、へぶばっ!」
左手の鉄格子で木刀を外に受け流し、右手のそれを相手の顎にたたき込む。戦闘開始だ。




