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016 真夜中のアンチヒーロー 1
夜は錬金術に使う素材を集めに行く。不法投棄の家電や廃車、つぶれた工場の作業機械とかを狙う。スクラップ屋は宝の山だが止めておく。商売敵だが後で世話になることもあるだろう。
町内だけでなく遠征もする。そのために自転車も作った。「ナイトゥジャー」はチェーンでなくロスを低減したシャフトドライブで、私の身体機能も上がっているから一晩で100キロの距離でも走破可能だ。そこまでやる気は無いが。
ついでにプルバックモーターを追加装備して漕いだ余力を貯めておけるようにした。バッテリーアシストは余計重くなるし、充電の手間と費用がかかるのを考えるとこっちのほうが上だ。
ある夜その遠征中に暴走族が絡んできた。
大抵は追いつかれる前にぶっち切って逃げるのだが、その日の暗黒武闘団は峠のドライブイン「からしの」で数を頼んで私を待ち伏せしていた。
何でそこまでするのかとも思ったが私は口裂け女のような都市伝説的な存在になっていたらしく、奴らはその噂を暴く肝試しのつもりだったらしい。しかし「夜走る百姓」ってそのまんまの名前なのはどうなんだ。




