雨音
今日だって変わらない雨
コンビニで買った透明の傘さして歩く
いつもの帰り道
登った階段の先
ふと見下ろすと
誰もいない黒いアスファルトに
ただ雨が流れ落ちていく
追いかけた君の世界
ただ見たくて
流れ去る世界は
今日も会えない時間
ふたりの隙間
流れ落ちてゆく
明かりのつき始めた夜景
夕日のあとの世界は
どこか暗く沈んで
登り坂の階段から見える世界
あなた包む世界
今日も灯り始める
目を凝らしても見えない未来
毎秒ごとに明かり灯す
そこから先の遥か先にある時間
暗闇に生まれた光に
あなた重ねる
いくつもの見えない未来に
ささやく言葉さえ見つけられずに
夜の闇に消えてゆく
鳥たち
モノクロームに消える
私には
たったひとつの世界
窓辺に切り取られたガラスの上
流れ落ちる雨粒
ふたつあわさるまで