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小話-side後藤-

後藤って誰だ?


って思ったのはきっと君だけじゃない。


読者全員が思ったに違いない。



第一話に月野さんの部下として出てきているから

よろしくね。


月野さんの部下 後藤(32)です。


月野さんの右腕的な存在だと勝手に思ってるよ。



そんな僕は今日会社の忘年会に来ている。


月野さんは色んな人と話しながらもオーダーをとったり、ツマミを取り分けたりしている。


たぶん誰よりも早く気づくから若手がやる前に仕事をしてしまうのだと思う。




「月野さん里親として子ども育ててるんですよね?

 すごい!」



「うちの中学生になる娘なんて、最近は本当に困る

 ぞ。接し方が分からん!」



月野さんの周りでは子育ての話で盛り上がっている。




月野さんが子どもを育てていることを知ったときには、会社で大きな話題となった。



今まで以上に鬼のように仕事をこなし、早く帰る日が増えた。しかも、慌てて。


今まではあまり時間に追われている様子を見せたことがなかった。



また、携帯を確認することも少し増えた気がする。


(言っておくが僕はストーカーじゃない。本当に月野さ

んに憧れている部下だ。)




同じ部署の人は皆、月野さんを理解し応援している。


応援といっても月野さんは仕事にはなにも支障をきたしてはいないが。




しかし、そんな月野さんのことをよく思ってない輩もいた。他部署で月野さんの出世をよく思ってない男たちだ。




たまたま昼休みにそいつらの話を聞いてしまったことがある。




「月野やべーよな。結婚できないから里親で子ども育

 てるとか。仕事ばっかやらずに結婚しときゃよかっ

 たのにな。」



「いくら美人でも40オーバーは無理だって笑

 子ども育てるとかギャグだよ。」




衝動的に手が出そうになったがグッとと堪える。


ここで手を出した方が月野さんに迷惑をかける。



お前らは知らないだろ。月野さんの凄さを。



部署全体を引っ張り


若い子のフォローもちゃんとして


上にもしっかり進言できる



月野さんは本当にすごい。



月野さんに仕事を教わってから、仕事が格段にやりやすくなったし、楽しくなった。




出世欲が生む嫉妬は本当に醜い。

ほんの少しの仕返しとして

月野さんのことを慕っている女の子たちにこの話を回してやろう。



そのダサさをみんなに教えてやるよ。





「後藤君大丈夫?お酒まわっちゃった?」



月野さんに声をかけられふと我にかえる。



「いえ、ぼくも子ども欲しいなーって笑

 その前に結婚ですね。その前に彼女ですね。」



話を合わせると、冬花は優しく微笑む。



「確かに子どもがこんなに可愛いとは思わなかった。

 焦らなくてもいいよ。後藤君なら絶対いい子できる

 よ。仕事見てれば後藤君の優しさがわかる。」



私は結婚してないんだけどねと冬花は笑って付け足す。




そしてまた自然と冬花を中心に

話題が広がり盛り上がっていく。





(僕も月野さんみたいになれるよう頑張ろう。)

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