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もうすぐ二学期も終わる頃、冬花は夏空が塾で受けた模試の結果を見て少し驚く。



(夏空は頭がいいとは思っていたけど、私の想像以上か

も。こんなに学力が伸びるなんて。)




今までの苦しみや悲しみがバネとなったのか、夏空の成績はどんどん上がっていく。




「今回はすごく良かったんだ。でも英語と数学はやっ

 ぱり秋帆と柳田君に負けちゃった。柳田君は数学1問

 ミスだよ!すごいよね。」




「いや、国語で点数取れるのすごいよ。私は国語が1番

 難しい教科だと思ってるから。」




もちろん英語も数学も難しいんだけどねと付け足しながら結果を冷蔵庫にはる。




「夏空さ、志望校あげる?私立に。公立だと東高校が

 1番いいし、近いけど、私立でもっと上目指すのもあ

 りだと思うよ。」




冬花は秋帆と柳田の顔が思い浮かぶが、とりあえずは結果だけをみて夏空にすすめる。




「塾の先生にもねそうやって言われたんだ。柳田君も

 そう言われてたけど。私立にかえないかって。」




「じゃあ受けてみなよ!私立なんて受けるだけ受けて

 もいいし。」




「でも、私立は行かない。別に私立じゃなくても勉強

 できるし、私は東高校がいいなって。だから受ける

 だけもったいないかなとも思うし。あ、遠慮はして

 ないよ。考えた結果なの。」




夏空の中では結論が出ているらしい。




「そっか。夏空がそう思うならそれでいいと思う。

 柳田君も変更しないの?」




冬花が聞くと、夏空は柳田の言葉を思い出しながら話す。



『俺の家母子家庭なんだよね。だからあんまりお金に

 余裕なさそうなんだ。東高校ならチャリで行けるし

 勉強もできるから1番いいかなって。』



冬花はあまり驚かずに話を聞く。



「秋帆も前に家の人は再婚だからお父さんが違うって

 言ってたし。なんか、みんな普通じゃないねって話

 してたの。」



夏空は模試の結果が入っていたファイルをきっちりと鞄にしまいながら話を続ける。



「普通じゃないのが普通なんだよね。みんなの話を聞

 いてそう思ったんだ。」



冬花は大きく頷く。




(普通だったらこの出会いもなかった。


普通じゃないことに苦しめられたこともあるけど


感謝することもあるんだな。)




夏空を優し眼差しで見つめる。



すると夏空も冬花の方を見る。




「今まで普通じゃないことが嫌で嫌でたまらなかった

 けど、今は感謝してるんだ。だって冬花さんに出会

 えたんだもん。」




同じようなことを同じ場面で考えていることに驚く。


この幸せすぎる空気が冬花には少し甘すぎた。


照れたのを隠すように冬花は少し頷いた後、勢いよく立ち上がりコーヒを入れにいく。




夏空は微笑んでいる冬花の横顔を見てつられて笑う。



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