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11月になった。冬花はカレンダーを見て手が止まる。



しばらくそうしていると不思議に思った夏空が冬花に話しかける。



「冬花さん大丈夫?」



冬花はあまりぼーっとすることがないため夏空は少し心配になる。



「ああ。ごめんごめん。お墓参りにいつ行こうかなー

 って考えただけ。」



冬花は夏空に気を使わさないよう話題を変えようとしたが、夏空の方が早かった。



「もし、もしよかったら、私もお墓参り行きたい。」



意外な提案に冬花は驚く。



「別にいいけど・・・。本当にお墓行って少し掃除す

 るだけよ?」



「うん。行きたい。」



いつになくはっきりとした口調で夏空が言う。




冬花は少し驚きながらも一緒に行くことにした。





週末、冬花と夏空は電車に乗り冬花の地元に向かう。




「少し遠いけど大丈夫?」




「全然大丈夫!ありがとう冬花さん。」




最寄り駅に着くと花を買いバスに乗ってお墓に行く。




「田舎でしょ?」



「うん。田舎。でも自然豊かでいいところだね。」




お墓に着くと簡単に掃除をする。


そして冬花は花を添えて手を合わせる。






お母さん。今年は激動の一年だったよ。


なんと、夏空という子どもができたよ。


一人で旅行したり

好きなものを買ったりすることがす ごく減ったけど


それ以上に


子どもがこんなに

愛おしい存在であることを知ることができて



私は幸せです。



今ならお母さんの気持ちも少し分かると思う。



あのときはお母さんを責めてしまって



本当にごめんなさい。






今の状況と過去の懺悔をする。




目を開けて隣を見ると夏空はまだ手を合わせていた。




少しして夏空が顔を上げると、夏空の目が潤んでいたため、冬花は少し慌てる。



「ごめんね冬花さん。お母さんにね、冬花さんに出会

 えたことの感謝を伝えていたの。」



「そっか。ありがとう。私も今幸せだよーって伝えて

 おいた。あと、昔は本当にごめんねって。」



許してくれないかもだけど



と言葉を付け加えると、夏空は大きく首を振る。




「お母さん、怒ってないよ。」



笑顔でそういう夏空に冬花は少し笑う。



「ほんと?ならいいんだけどね。」



「本当に本当だよ。冬花さんのお母さんも喜んでた。

 冬花さんが幸せで。」




ねっ!っと夏空はお墓に向かって笑顔でいう。




(何故だろう。夏空がここまではっきりいうならお母さ

んもそう思ってるきがしてきた。)





冬花はスッと心が軽くなる。





そしてもう一度お墓をみる。






お母さん。

私は今幸せです。

夏空と出会えて

お母さんやお父さんのことを思い出すのが

前より辛くなくなりました。

今までずっとずっとありがとう。

これからもどうか見守ってください。






冬花は微笑む。



そして夏空と一緒に歩き出す。

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