表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/79

5

「・・・。養子縁組って、家族になるってこと?」


ボソボソと呟くように夏空は冬花に尋ねる。


「私も知らないことが多々あるけど、簡単に言えばそう。」


「冬花さんって、もしかしてすごく悪い人?」


夏空の感情が読めない。軽率な発言だと思われただろうか。いや、実際に軽率だった。ちゃんと調べてもないのに。


「まだ出会って2日ですよ?」


「・・・。」


今までの会話の中で初めて冬花が黙った。しかし、冬花はただ黙ってるわけではなく、自分の気持ちの整理し考えているのである。


「引き取った後に私のことどうするんですか?何か企んでるんですか?」


夏空のネガティブな発言がとまらない。


「冗談でもそういうこと言うの、やめてください。」


「冗談なんか言ったつもりはない。」


冬花はゆっくりと夏空を落ち着かせるように言う。


「たしかに、急だと思うし怪しく感じる気持ちはすごくわかる。あと、詳しく調べていないから知識不足な部分はたくさんあると思う。」


ゆっくりゆっくり、自分の気持ちを整理しながら夏空に気持ちを伝えていく。


「でも、でもね。私は夏空の笑顔をもっと見たいと思ったの。そして、そうするためには一緒に住むのがいいと思うの。だから家族になるのが1番いい選択なのかなと。」


「・・・。」


夏空の顔を見ると、夏空は涙を浮かべながら困った表情を浮かべていた。


「ごめんね。急すぎたよね。夏空が嫌に思う気持ち分かる。軽率だったね。ごめん。」


冬花が謝ると、夏空がゆっくりと冬花の手を握る。そして、か細い声でぽつぽつと話し出した。


「嫌じゃない。」


「え?」


「怪しいし、びっくりしてる。もしかしたら騙されてるかもしれない。でも、嫌じゃないの。嫌じゃないから困るの。」


夏空が冬花の顔を見る。


「嬉しくて、困るの。引き取りたいって言ってくれたのが嬉しすぎて・・・。」


夏空の目からポロポロと大粒の涙が溢れる。


冬花はギュッと夏空の手を握り返す。


(夏空を守りたい。夏空を幸せにしたい。)


涙が止まらなくなった夏空を見つめながら、冬花は養子縁組として夏空を引き取ることを決意した。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ