56-side夏空-
あっという間に夏休みが終え、二学期が始まった。
夏空は模試を受けた後そのまま塾に入校し、今じゃ学校帰りに塾に行くのが習慣化してきた。
「塾で隣の男子がね、多分すごく頭いいの。違う学校
の人なんだけど。」
昼休み、秋帆と夏空は塾の話で少し盛り上がる。
「あ、柳田くんでしょ?ずっとトップらし
いよ。塾の子が 天才・すぎだ って言ってた笑」
秋帆はもともとコミニュケーション能力が高いため、塾でもすぐに友達ができた。
「やっぱそうなんだ。隣で問題とか解いてるとあっと
いう間に解き終えてるから。」
「かっこいいし背高いし、パーフェクトだよね。
そういう人いるよねー。」
(私からしたら秋帆もそうなんだけどなぁ。)
夏空は秋帆も柳田君もパーフェクトで羨ましく思う。
夕方、塾にそのまま行き教室に入る。
夏空は柳田君に勉強のことを聞きたいと思うが、そんな勇気は持ち合わせていない。男子とはほとんど話さないため尚更だ。
「あの、晴山さん?って合ってるよね?」
授業前、夏空がテキストを確認していると柳田君に話しかけられる。夏空はびっくりして、オーバーに驚いてしまった。
「は、はい。晴山です。柳田君ですよね?」
「ご、ごめん笑驚かせちゃった?そんなつもりなかっ
たんだけど。はい。柳田です。」
夏空の反応が面白かったらしく柳田君は少し笑っていた。その笑い方が少しだけ冬花に似ていたためか、夏空も緊張がほぐれる。
「だって、びっくりしたから。私人見知りだし。」
「ごめんごめん。晴山さんはさどこの高校受けるの?
この前国語の記述問題すらすら書いてて凄いなって
思ったから。」
まさか柳田君から褒められるとは思いもしなかった夏空だが、褒められてほんの少し笑顔になる。
「東高校受けるつもり。柳田君こそ、数学めちゃくち
ゃ早くていつもびっくりしてるよ。柳田君はどこ受
けるの?」
柳田君の顔をチラッと見ると、ほんの少し緊張したような表情に見え、夏空は少し首をかしげる。
「あ、俺も東高校行く予定。一緒だね。やった!」
何故か喜んでいる柳田君をみて夏空もつられてまた笑う。
その様子を後ろからにやにやしながら見ている秋帆に
二人は気づく様子もない。




