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あっという間に1学期の終わりの日になった。
冬花は夏空とランチにいくことにしたため今日は有給をとっている。
「ただいま!冬花さん!はい!」
夏空は手に通知表を持っていた。早く渡したくて、家に入る前に準備をしていたようだ。
「お!!内申めっちゃいいじゃん!5教科オール5!
音学と美術が4か。2学期上がれるといいね。」
「うん!副教科もしっかり頑張る!でも、受験には中3
だけの内申が関係するって聞いて本当に本当によか
った!」
「ラッキーラッキー!都道府県ごとに内申点の記載範
囲違うらしいからね。本当によかった。」
冬花は通知表を冷蔵庫に貼る。
「夏休みもしっかり勉強して、追い抜かれないように
頑張らなきゃ。」
夏空は勉強の熱意をメラメラと燃やしている。
「さすが学年で6番とった人は違うねぇ!よし!鰻食べ
行こう。力つけよ!」
「もう!冬花さんの方が頭いいくせに!」
夏空はおだててくる冬花に少しつっこみながら外に出る準備をする。
「秋帆ちゃんは志望校どうするって?」
歩いて鰻屋に向かう。冬花の日焼け対策は万全でもはや不審者に間違えられるレベルだ。
「あ、とりあえず東高校にするって!あっ、来週の陸
上部の大会へ応援に行く予定なの。それが終わった
ら引退だと思うって言ってたから。」
「じゃあ秋帆ちゃんも受験一色になるのね。一緒に東
高校にいけるといいね。」
夏空は満面の笑みで頷く。
鰻屋に入ると夏空はメニュー表を見て驚く。
「と、冬花さん。鰻ってこんなに高いの!?」
「まあ美味しくて栄養満点だからね。今日は夏空1学期
お疲れ様会だからいいのいいの。」
「前もテストお疲れ様会っていって高いもの食べちゃ
ったのに。悪いよ・・・。」
夏空の表情が曇ったのを見て冬花は少し困る。
「本当に私が食べたいだけなの!私もともとかなりお
金使う方だから気にしなくていいのよ。ほら、経済
まわさないと!」
夏空が渋々1番安いのを頼もうとしたため、冬花は勝手にランクが上のものを頼む。
「いつか、私が鰻もイタリアンもフレンチも全部奢る
から。」
夏空が口を尖らせながらジト目で冬花を見る。
「うん。夏空が働いたら奢ってもらお。あ、そういえ
ば、今週末向日葵に一泊するんだよね?」
「うん。この前向日葵行ったときに子ども達と泊まる
約束しちゃって。あと、なんか冬花さんの話もまた
するみたい。」
「そっかそっか。思ったまんまに言えばいいよ。あ、
トイレ開けたまましちゃったことは伏せてー笑」
冬花と夏空はその時のことを思い出して笑いあう。
二人は一緒になってから初めて別々に過ごす日がやってくる。




