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(6月なのに暑すぎるなぁ)
冬花は会社帰ると、すぐに服を着替える。
「冬花さんお帰りなさい!」
「ただいま!今日は昨日の残りのカレーね。」
「うん!今温めるね。」
夏空は冊子を置き冷蔵庫に向かう。
「どこがいいとこあったー?」
冬花は冊子を手に取りながら夏空に聞く。
「うーん。まだちょっと考え中かな。」
夏空は火加減を確認しながら答える。
「夏空。私立もちゃんと受けて。公立にこだわる必要
全くないから。」
冬花は冊子をぱらぱらめくる。
「ほら。公立一本だとチャレンジできないじゃん。私
立も納得するところ受けな。私立にいい高校あった
らそっち第一にしてもいいし。」
夏空は手を止めて冬花を見る。
「でも、お金が「お金は十分もらってるの。里親制度
で儲けても何にも嬉しくないから。ちゃんと使っ
てほしい!」
冬花はもう一度しっかりと念をおす。
「夏空の遠慮や妥協に私の幸せはないから!夏空の気
持ちもわかるけど、本当にお金困らない。
先のこと言うなら、ちゃんといいところ行っていい
大学にも行ってほしい。」
夏空は小さくうんうん頷く。
「わかった。私立もちゃんと探す。」
冬花は夏空の側までいき頭をポンとする。
「今週末美味しいもの食べながらパンフレット一緒に
見る時間作ろう!資料請求今からしちゃうね。」
冬花はすぐにパソコンに向かい、いくつかの私立高校のパンフレットを申し込む。
そして土曜日の昼、二人はパンフレットを机の上に広げて高校紹介を読んでいた。
「今は留学とかを薦める高校も増えたねー。時代はグ
ローバルねー。」
「留学ってやっぱりいいの?」
夏空にとって外国は未知のものだ。
「留学はしたことないけど仕事で海外に少し滞在して
たことはあるよ。んー。語学力は一時的に上がるけ
ど、継続しないと身にはつかないかな。」
冬花は昔のことを思い出しながら話す。
「でも、日本とは全然違う文化にふれることができる
のはとっても大きい経験だと思う。語学の勉強って
よりは視野を広げるっていう意味合いの方が大きい
と私は思うよ。」
「全然想像つかないな。でも、いつか留学じゃなくて
も海外行ってみたいな。」
夏空は海外に行くことがとても難しいように言う。
「え?いつでも行けるよ。何なら夏休みいく?受験勉
強の気晴らしに。アジアならすぐ行けるよ?」
冬花はいとも簡単であるように言う。
「今年はいい!冬花さんと行きたいけど今じゃなくて
いい!」
夏空は冬花が海外旅行について調べる前にはっきり断る。さもなければすぐに飛行機くらい予約してしまいそうな勢いであるからだ。
「ざーんねん。まあ留学推してるからいい高校とは限
らないし。高校の雰囲気と学力のレベルがやっぱ決
めてかな?」
冬花は話を戻しつつまたパンフレットを見る。
「公立も私立も進学率がいいところに行きたい。
勉強もしっかりと頑張る。」
夏空はパンフレットを一度閉じる。
そして、自分で一度頷き話を続ける。
「大学もいいところいって、しっかり就職する。
そうしたらようやく冬花さんに少しずつ恩返しがで
きると思うんだ。」
夏空は奨学金の制度についても調べているようで、中学生ながらしっかりと冬花への恩返しプランを計画していた。
(夏空が幸せに暮らしくれるだけで十分に恩返しなんだ
けどね。)
冬花は微笑みながら夏空を見る。
その眼差しはとてもとても温かいものであった。
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筆者の地元は他の都道府県と違い、公立を2校受けることができます。
(どこの出身かバレますね。)
大学のとき、県外の友達にそれを言うと
少し驚かれた経験があり
あ、普通じゃないんだなと知りました。
また、内申点も中三だけが関係するので、去年まで不真面目だった人が急に授業中に挙手することも普通にありました。
中学のときは当たり前だと思ってたことも、県をまたげば結構違うものですね。




