44-side夏空-
「お邪魔します。」
木曜日の学校終わり、夏空は秋帆を家に招待した。
「いらっしゃい!どうぞゆっくりしてって。」
(冬花さん結構気合入れてる。)
冬花は半休をとったらしく、今日はもう仕事を終えている。夏空は気合が入った冬花をみて少し笑う。
「じゃじゃーん!これ最近できたケーキ屋さんで買っ
てきたの。好きなの食べて!」
「ありがとうございます。嬉しいです。」
「冬花さんありがとう!」
冬花はケーキと紅茶を出すと隣の部屋に入っていった。
「夏空のお母さん?めっちゃ若い!!」
「冬花さん若いよね笑42歳に見えないもん笑」
夏空と秋帆はたわいもない話をする。
少し会話が途切れて、紅茶を飲むと秋帆の方から話を切り出した。
「夏空はさ、今私が周りの人に絡まれてるの、気にな
る?」
夏空は少し考えて答える。
「んー。気にはなるけど、秋帆が話したくないなら聞
かないよ。今、秋帆と一緒に入れて初めて学校が楽
しいんだ。」
夏空はカップを置き、もう一度呟く。
「うん。本当に初めて。」
秋帆はそんな夏空を見て、背筋を伸ばす。
「夏空がよければ私のこと聞いて欲しいな。」
秋帆はぽつぽつと過去の出来事を話し出す。
「去年の夏くらいまでは、普通の学校生活だったん
だ。でも、男子から告白されたことがきっかけで、
なんかおかしくなっちゃって。
ある男子が告白してきてさ、断ったの。それでその
人が1週間後にクラスの女子に告白して付き合うこと
になったの。私は女の子の方からその話を聞いて、
何も言わなかったの。でも、結局私に告白してたの
がわかって怒ってさ。」
「言いにくい気持ち分かるし、言わなくてもいいと思
うよ。私は。」
「それで、その後、その女子と仲良しの女子の好きな
人が私に告白してきて。その人とは私普通に仲良か
ったけど、思わせぶりーみたいなこと言われて。
そっから男好きとか言われるようになってさ。」
「そういうのはわかるよ。私も。関係ない人も言うよ
うになってくるよね。」
「そこから男子とは一切話さないことを決めてたんだ
けど、最後に爆弾がきてさ。」
秋帆はから笑いしながら話す。
「付き合ってた人が、女の子を振って私に告白をして
きたらしいの。そういう情報ってなんでみんな知っ
てるのかね。」
秋帆はため息をつく。
「まあ嫌がらせされてもさ、私は言い返すし反省する
気もさらさらないから、余計に孤立しちゃって。」
(言い返せることがすごく羨ましいな。)
「ごめんね。つまらない話しちゃって。」
「ううん。話してくれてありがと。人から悪口言われ
るのって辛いよね。心が疲れると思うの。」
夏空は秋帆の目を見る。
「私は、秋帆の味方だから。」
秋帆は強いから大丈夫かもしれないど
っと付け足そうとしたが、夏空の口が止まる。
いつも強気で明るい秋帆がぼろぼろと泣いていた。
(ああ。よかった。ずっと泣いてなかったんだろうな)
「ご、ごめんね夏空。なんか気が抜けちゃって。」
秋帆は下を向き涙を隠す。
秋帆のすすり泣く音が室内に響く。
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