41-side夏空-
体育の時間をきっかけに、朝比奈と話す機会が増えた。
「晴山さんの名前は夏空って言うんだね。じ
ゃあ今日から夏空って呼ぼ!」
移動教室のため理科室に行く途中、朝比奈が夏空を初めて名前で呼んだ。
「じゃ、じゃあ。私は秋帆って呼んでもいい
のかな?」
夏空は少し首を傾げながら秋帆を見る。
「いいに決まってるじゃん!嬉しいよ。」
(これはもう友達なのでは!?)
友達かどうかの判定をこっそり考える夏空は、嬉しくてにやけた顔を思わず隠す。
秋帆は歩くだけでも目立つ。
165センチという少し高めの身長に
整った顔。すらっとしたスタイル。
ほんの少し茶色がかったロングヘア。
健康的な肌色。
そしていつも堂々としている姿。
(私とは全然違う。)
周りからすれば
156センチの色白な肌に
真っ黒なミディアムヘアを
ポニーテールにしている夏空も
引けを取らないことを夏空は知るよしもなかった。
移動途中、秋帆は誰かを見つけると急に無表情になり、ある男子生徒とすれ違う。
その後に3人の女子達が秋帆を見てニヤニヤ笑いながら近づいてきた。
「どう?新しいクラスで仲のいい男子は見つかりまし
たか??」
秋帆は無表情で無視をする。
「あれ?こいつ去年愛姫達にいじめられてた人じゃな
い?ほら、施設育ちの。」
夏空は急に自分のことを言われ驚く。
(なんで平然と人を傷つけることを言えるんだろう。)
秋帆の方をチラッと見ると、秋帆は少し驚いた顔をしていた。
(引かれちゃったかな・・・。)
夏空はどうすればいいか分からず、困っていると秋帆に腕を掴まれる。
「うるさい。羨ましいなら素直に羨ましいって言えば
いいじゃん。」
女子達が何か言っているが、秋帆は夏空の手を引いてその場を後にする。
「ごめんね。私のせいで。夏空を巻き込んじゃった
ね。」
「ううん。全然いいの。私こそごめんね。隠してたわ
けじゃないけど。」
「謝ることじゃないよ。夏空だって私がなんであんな
ふうに言われているか知らないでしょ?私も同じ。
夏空のことよく知らないじゃんね。」
「そうだよね。ありがとう。秋帆。」
「私こそありがとう。さっき絡まれても、夏空がいる
から何にも怖くなかったよ。」
秋帆が微笑む。
(やっぱり悪口言われて気にしない人なんていないよ
ね。ほんの少しでも秋帆を守れるように頑張ろ。)
夏空と秋帆は互いに互いを守りたいと思うのであった。
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