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夏空が受験を決意してから3週間がたった。
月曜日の夕方、冬花は在宅で仕事をしていると夏空が勢いよく帰ってきた音が玄関から聞こえる。
冬花は時計を見て勤務を終える。
「おかえり夏空。どうしたの?」
夏空は冬花の仕事を終えたことを確認すると、急いでリュックから紙を取り出す。
「み、見て!!」
几帳面な夏空がリュックの中身を床に散らかしている。よほど早く見てほしいことが伝わってくる。
「ん・・・。おー!!学年で12番!!」
「びっくりでしょ!今まで全然できてなかったのに。
最初間違いかと思っちゃった!!」
「215人中12番。上位5%!いいね!」
パーセンテージに置き換えるのは冬花の癖だ。
「私こんなに嬉しいの初めて!」
夏空のテンションがとても高い。
「どこの高校行きたいかも少しずつ調べられるといい
ね。この成績ならいいところいけるよ。」
冬花は成績表をファイリングする。
「冬花さんはさ、中学のとき何番くらいだったの?」
夏空は機嫌よく冬花に聞く。
「私はだいたい2〜5番だったかなぁ。どうしても1番
の子には勝てなかったなぁ。」
冬花は1番だった子を懐かしそうに思い出しながら、いつも通りの口調で言う。
「・・・。何人中?」
「330人くらいかな。ここより田舎だったからね。」
「・・・。」
夏空のテンションがわかりやすく下がっていく。
(げ。だめだったかな。)
冬花は慌ててフォローするも、もう遅かった。
「もっともっと勉強して、一桁にならなきゃ。冬花さ
んみたいになれない。」
夏空は先程とは打って変わって悔しがる。
夏空は受験生として頑張る一年をこれから迎えることとなる。
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