33-side夏空-
翌日、夏空は学校に行くと鈴木先生はいつもより早く教室にいた。
朝の読書の時間に愛姫が呼び出される。
愛姫は気だるそうに教室を出ていった。
5分ほどすると愛姫が教室に帰ってくる。
すごい形相で夏空を睨む。
(あの目はやっぱり怖いな。)
夏空は本で視界を遮り目が合わないようにする。
すぐさま今度は充紅が呼び出された。
クラスがざわつく。
ちょうど読書タイムが終わる頃に充紅も戻ってきて、普段通り学校がはじまると思ったが今日は違った。
「今日1時間目の数学と5時間目の学活チェンジ。
今から1時間自習してて。静かにね。」
鈴木先生が無表情で生徒に伝える。
その様子から、クラスの皆が何かを悟る。
(こんな大掛かりにやるんだ。)
それから夢希、学級委員、私の隣だった子など
一人ずつ順番に呼び出されていく。
教室に戻ってきた子は暗い顔で静かに席に戻る。
「晴山。ちょっときて。」
一番最後に先生に呼ばれ別室へ移動する。
部屋に入ると、鈴木先生以外に教頭と学年主任の先生がいた。
「まず、愛姫に聞いたら、遊びでちょっとやったこ
ともあるけど、これらのことはやってないと言って
いた。充紅もいじり過ぎたことはあるかもだけど、
いじめはしてないと言っていた。」
「・・・。」
川に落とされたり物を汚したり、髪を染めようとしていたことなど、酷いことは全て否定されていた。
「夢希も何もやってないし愛姫達と仲がいいといって
いる。」
(夢希は言えなかったんだ。)
「ただ、クラスの何人かは晴山にやりすぎだと思って
いたらしい。怖くていえなかったと女子の何人かが
言っていた。」
「先生、私嘘はついてません。」
「晴山が嘘をついてるとは思っていない。」
鈴木先生が立ち部屋から出る。
するとすぐに愛姫と充紅と夢希と一緒に部屋に戻ってきた。
「この1時間で終わらなかったら、授業後にまた話を
する時間を取るのでよろしく。」
「先生、さっきも言ったとおり夏空に言いすぎたとこ
ろはあったかも。夏空ごめんね。」
充紅は軽く謝る。
「ね!夢希も愛姫もちょっと言い過ぎたところあった
かもだよね!」
「違う!」
愛姫達が話す前に夏空が言う。
「言い過ぎたとかじゃないと思う。」
夏空ははっきりと自分の想いを伝える。
「これから二度とそういうことしないのと、もう他の
子をいじめるのをやめてほしい。そうすればもう終
わりにするから。」
「あのさ。夏空も行けないところあったじゃん。もと
もと夏空だよね。この喧嘩のきっかけも。」
愛姫が髪をいじりながらめんどくさそうに話す。
「体調悪いから部活休もうと思ったのに無理矢理走ら
せようとしたりしてさ。あと、やってもないことを
言わないでくれる?虚言癖だよそれ。」
話し合いの終わりが見えない。
「先生。これじゃ話し合い永遠に終わらないよー。」
充紅がわざとらしくため息をつく。
「とりあえず今日は終わりだ。みんな教室帰って。」
部屋を出ると愛姫達がクスクス笑う。
(ああ。もう無理だ。)
(もう、許せない。)
夏空の中で何かが切れる音がした。
謝ったら許す努力をしたと思う。
100歩譲って認めただけでも、もう終わりにしようと思っていた。
でも結果はこれだ。もう我慢できない。
(次の被害者が出る前にちゃんと終わらせなきゃ。)
夏空の心には、もう怖さなどはなかった。
愛姫達と徹底的にやり合うことを決めたのであった。
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