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全員が固まっているなか、冬花だけは素早く動く。



川で尻餅をついている

夢希の手を取り引き上げる。




冬花はリュックからタオルを取り出し、氷のように冷たくなっている夢希の体を簡単に拭く。




(万が一のために持ってきておいてよかった。)





「誰だよ。おばさん。」



「どっから出てきたの?怖すぎるんだけど。」




愛姫と充紅は冬花を睨みつける。




「ちょっと後でね。お二人さん。今はこの子優先。」




冬花は手の甲でぴっぴっと払い、相手にしない。




「冬花さん!これ!」




夏空はリュックから体操服の長ズボンを出す。




「ナイス!さ、これ履いてスカート脱ぎな。」




夏空はズボンを渡し、冬花は自分の上着を夢希にかけてあげる。




「は?こいつの知り合いか何か?クソムカつく。」




愛姫はイラつきながらリュックを背負い帰ろうとする。








「かわいそう。」








冬花は愛姫達に哀れみの表情を向けながらいう。




「は?いまなんつった?かわいそうとかうける。そこ

の二人はかわいそうすぎて残念だよね。」



「おばさんかわいそうな二人をよろしくー!」




「あんた達二人がかわいそうでかわいそうで。

 涙出ちゃいそう。」




冬花は二人に体を向けて続ける。



「まだ子どもだからね。やり直せるかもよ。そのまま

 大人になったら、あなた達は間違いなく不幸になる

 ね。かわいそうに。」



冬花は二人に近づく。



「いいわよ。さっきみたいに今度は私を川に落とす?

どうぞどうぞ。好きにして。」




笑いながら両手を広げる。




「ただ、やった瞬間警察呼ぶから。言っとくけど

 いじめは犯罪よ。」




冬花は笑顔から一転真顔になり二人を睨む。





「反省しなさい。そうすればまだ間に合う。」





冬花はくるりと体をかえし、夏空と夢希に帰ろうと伝える。




愛姫達は冬花の圧におされ、すぐに言い返すことができなかった。




「っ・・・。いこ。」




愛姫と充紅は素早くその場を後にする。




「冬花さん。どうする?」

 



「とりあえずこの子の家の近くまで一緒にいこう。上

 着はいつでもいいから。帰ったらすぐお風呂に入る

 のよ。親には自分で説明しなさい。」




夢希は一言も喋ることはできなかった。




かわりに嗚咽しながら涙を流し続けていた。



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