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月野冬花
42歳 女性
独身
大手企業勤め
年収1000万以上
元号が令和に変わり早3年。
数年前までは、
「結婚はどうするの?」
と聞いてきた人たちも、今じゃ触れちゃいけないみたいな空気を出してくる。
私は神か。このやろう。
それとも令和という時代のおかげなのか。
まあどちらにせよ、とやかく言われなくなったことで少し生きやすくなった今日この頃、私の目の前には漫画のような光景が広がっている。
「それじゃ、先にあがるね。お疲れ様でした。あ、後藤くん!明日は在宅勤務だからよろしくね。」
「月野さんお疲れ様です。確認が取れ次第LINEで報告させたいただきます。」
定時上がりは何歳になっても気持ちがいい。明るい空のなか、夜に何をするか考えながら帰るこの時間がとても好き。
(でも、なんとなく今日はフラフラ歩きたい気分だな。不要不急でも、ほんの少しの寄り道は許してほしい。)
5月半ば、ほんの少し夏の香りがする。コンビニでアイスコーヒーを買い、少し遠回りしながら帰ることにした。
なんとなく歩きたくなることが増えたため、通勤は歩きやすいスニーカーにした。
このスニーカーは買った数足の中で1番高くて1番履きやすい。こういうのに出会うと気分がぐんとあがる。
コーヒーを片手になんとなく歩く。
(昨日は雨が降ったから川を見て帰ろ。)
なんとなくから目的地が決まり、足早に川に向かう。
10分程歩き、川を見ながらあるく。
夕日に照らされてる川はキラキラと光を反射し、写真に撮りたくなるような風景だ。
(どうせなら下に降りてみよ。)
氷水を啜りながら歩く。すると、河川敷の方に学生服をきた4人の少女の姿が見えた。
(こんな所で何やってるんだろ。落書きとか今もやるもんなのかな。)
気になったら見るまで帰れない性格である私は、河川敷まで近づいてみる。なんとなく通れば何やってるかくらいわかる気がした。
(え・・・?)
歩くスピードを落とし、目の前の光景を静かにみる。まるで、漫画のようなその光景に唾を飲み込む。
これはどう見てもいじめられている。3人のいじめっ子は私に背を向けているから気づいていない。いじめられている子はただ座り込み大人しく蹴られている。
どうするべきか・・・。
一瞬迷ったものの、どうみてもおかしいその状況に我慢できなくなり、わざと足をずりながら近づく。それに気づいた1人が素早く振り返り、私を見つめた。
「ねえ、まき。やばい、おばさんがいる。」
「ん?あー。ちゃんと見といてよ。みくもゆきも。まあいいや。めんどくさくなってもいやだし。しょうがない。明日やるでね。すてこ。」
「バイバイキーン!すててこっち。明日はカラフルすててこにへーんしん!!」
私を横目に見ながら素早く逃げた3人。
そしてうずくまる1人の少女。
これが
人生を大きく変える運命の出会いになることを
冬花はまだ知るよしもなかった。
初めて小説を書きます。ど素人です。
よろしくお願いします。




