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約束の時間の15分前に施設に行くと、夏空は無邪気な笑顔でぴょんぴょん跳ねながら手を振る。
「あれ?早くない??いつから待ってたの。」
冬花は小走りをして夏空に駆け寄る。
「だって、楽しみすぎて!あ、今佐々木先生呼んでくる!」
夏空は中学生とは思えないはしゃぎ方をしている。
(敬語も無くなったし、最初の頃に比べると緊張している様子もほとんどない。施設に通ったかいがあったなー。」
最初に出会った頃の夏空を思い出すと胸が苦しくなる。
施設長が夏空と一緒にやってきた。
「月野さん。今日からよろしくお願いします。」
「ありがとうございます。あ、お伝えした通り今から携帯を一緒に買いに行こうと思います。」
「はい。大丈夫です。書類も用意してあります。」
施設長と夏空と冬花の3人で携帯ショップに行き、携帯を契約する。
夏空のテンションは終始高かった。
「では、冬花さんの家ももう一度確認しました。私はこれで施設に戻ります。夏空のことをよろしくお願いします。」
冬花の家の前まで一緒に来て確認を終えた。
施設長はぺこりと頭を下げる。
「佐々木先生!今まで本当にありがとうございました。これからも施設には遊びに行くし、これからもお世話になるけど・・・。」
夏空は佐々木先生を真っ直ぐ見つめる。
「本当にありがとうございました。」
深くお辞儀をしてお礼を言う。
施設長は夏空の頭をぽんぽんし、
「こちらこそありがとう。そして、色々とごめんね。何かあったらすぐ携帯に連絡してくださいね。これからもよろしくお願いします。」
施設長はもう一度お辞儀をし施設に戻っていった。
(色々とごめんねかぁ。気づいてても何もできなかったのを少しは悪く思っているんだろうなぁ。)
冬花は施設長の大変さがこの半年でよくわかった。しかし、夏空をほっといたことも腹立たしく思う。
(まあ、今までの分、これからおもいっきし甘やかそう。施設長を悪くいう権利、私にはない。ついこの前まで、里親制度のことも知らなかったのだから。)
「冬花さん?」
夏空は考え事をしている冬花を不思議そうに見る。
「あ、ごめんごめん!入居祝いにパーティーしたいところだけど、今日は一日買い物デーよ!荷物置いたらもう一度買い物行くよ!」
冬花と夏空は再び街に出かける。
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