第13話 大陸の覇者
皇帝と国王を急襲して捕虜にしてから1カ月。帝国も王国も内乱が始まった。捕虜にされた皇帝・国王を待つ現状派、長兄を皇帝・国王に擁立しようとする新生派。それぞれに分かれて戦っている。
「ほっほっほ、こうも簡単に争いを始めるとは愉快よの。捕虜にせず殺していれば内乱は起こらなかったであろう」
玉座に座るエキドナは楽しそうに笑っている。
「顔を隠して転移の魔法で様子を見てきましたが、帝国も王国も大混乱しています。このまま放っておいてもどんどん兵を減らして疲弊していくでしょう」
「ユリア、エリーゼ。お主たちの祖国が危機だというのに、平然としておるな」
「私はカイン様についていくだけですから。もう帝国がどうなろうと構いません」
「私もですわ。私とカインが結ばれることを拒絶する王国なんて、滅びてしまっていいのですわ」
「ほっほっほ、カインはもてる男よの。強いだけでなく頭も回る、妾もカインに惚れてしまったかもしれんの」
玉座から立ち上がったエキドナは俺を抱きしめる。良い匂いが鼻腔を通り抜け、豊かな双丘が俺の胸に押し当てられる。
「エ、エキドナ様」
「魔王様、カイン様から離れてください!」
「魔王、ずるいですわ!」
ユリアとエリーゼまで俺に抱きついてくる。3人に抱きつかれて俺は身動きが取れない。
「ほっほっほ、良い男には女が集まる。自然の摂理よの」
エキドナは俺から離れると玉座に座った。ユリアとエリーゼも俺から離れる。
「これで妾の望む混沌の世界になりつつある。カインよ、これからお主はどうするつもりだ?」
「帝国・王国共に現状派と新生派どちらかが勝つまで待ちます。そしてその勝者を急襲します。さらに混乱は広がるでしょう」
「なるほど、機が熟すのを待つつもりか。お主のしたいようにするが良い。妾は全面的に協力しよう」
それから俺は魔王城内でユリアとエリーゼを訓練する日々を送った。そんな生活を送ること3カ月、帝国と王国の勝敗がついに決した。帝国も王国も長兄を擁立する新生派が勝った。
「そろそろ行きますか、エキドナ様」
「うむ、久々の戦い楽しみにしておったぞ」
俺とエキドナの二人は帝国と王国を急襲し、帝国と王国の長兄をそれぞれ捕虜とした。
「ユリア、兄であるこの私に対してなんて振る舞いだ!」
「パウルお兄様、私はカイン様に従っているだけです。ここでお父様とお過ごしください」
「エリーゼ、父上や兄である私にこのようなことをして何を考えている!」
「レイルズお兄様、もう王国は終わりですわ。全て私とカインの仲を引き裂くこの世界が悪いのですわ」
地下牢も手狭になってきたので、皇帝親子、国王親子の2人ずつを別の地下牢に入れてやった。ここで世界が変わっていくのを黙って見ているがいい。
「ほっほっほ、ここまで上手いく事が進むと笑いが止まらんの。カインよ、これから世界はどうなると思う?」
「帝国も王国も長兄を失い、後を継ぐ者がいなくなりました。そして内乱によりかなり疲弊しています。もう国としては終わりでしょう。貴族がそれぞれ独立するのではないでしょうか」
「大きな帝国と王国の終わりということだの。実に面白い。これが妾の望んでいた混沌の世界だ」
エキドナは玉座から立ち上がり俺を抱きしめる。
「カインよ、お主は本当に良い男じゃの。お主の子を産みたい。好きな時に抱いてくれていいぞ」
「エ、エキドナ様。それは…」
「魔王様!」
「魔王!」
当然とばかりにユリアとエリーゼが邪魔をしてくる。
「私だってカイン様に抱かれたいです。カイン様、私はずっと待っているのですよ」
「カイン、最初に好きになったのは私ですわ。私が最初に抱かれる権利があるはずですわ!」
さすがに3人に同時に迫られると辛いな…。
「そういうのはまだちょっと…。俺はまだ成さなければならないことがある」
俺は3人から離れると、意を決して話し始めた。
「帝国と王国はもう終わりだ。このまま黙って見ているだけだと、さっき言った通り貴族が独立を始めてしまう。そうなる前に俺は大陸を統一させたいと思う」
「カインよ、それはお主が大陸の覇者として君臨したいということだな?」
「はい、そうですエキドナ様。帝国と王国が疲弊した今、俺が頂点に立とうと思います。帝国はユリア、王国はエリーゼ、魔王城はエキドナ様をそれぞれ代表にして」
「お主なら面白い世界を作ってくれそうよの。やってみるがいい。妾は協力するぞ」
「私もカイン様の言う通りに従います」
「私も同じですわ!カインが頂点に立てば私とカインの仲を邪魔するものは何も無くなりますわ!」
「よし、決まりだな。早速帝国と王国を支配しに行こう。まずは帝国だ。ユリアついてきてくれ」
「わかりました、カイン様」
俺は転移の魔法を使い、ユリアとともに帝国の玉座の間へ飛んだ。
「ユリア様!」
近衛騎士団長のミゲルが気付き、近づいてきた。
「今までどこに行っておられたのですか?帝国はもう終わりです。皇帝陛下もパウル様も連れ去られてしまいました。生きておられるかもわかりません」
「ミゲル、お父様もお兄様も生きておられます。魔王城で捕虜にしています」
「それは、なんと…」
「今後は私がトライア帝国の代表になります。カイン様を王として、帝国は王国とともにその支配下に降ります、わかりましたか?」
「ははっ、ユリア様」
「ユリア、後は頼んだぞ。しばらくしたらまた来るから」
「はい、カイン様、いってらっしゃいませ」
俺はユリアを残して魔王城に転移の魔法で帰還した。
「おかえりですわ、カイン」
「エリーゼ、早速だが王国に行くぞ」
「待ってましたわ」
俺は転移の魔法を使い、エリーゼとともに王国の玉座の間へ飛んだ。
「エリーゼ様!カインまで!」
リシャール近衛騎士団長が俺たちに近づいてきた。
「国王もレイルズ様も行方不明になりました。王国はもう終わりです」
「リシャール、これからは私がマルディール王国の代表になるわ。カインを王として王国は帝国とともにその支配下に降るのですわ」
「ははっ、エリーゼ様」
「エリーゼ、あとは頼んだ。俺は魔王城に戻るけどまた来るから」
「こっちは任せてほしいですわ。いってらっしゃいですわ」
俺は転移の魔法でひとり魔王城へ帰還した。
「帰ってきたか、カイン」
エキドナが俺を出迎えてくれた。
「どうだったか、両国とも」
「2人に任せました。しばらくはこれで様子を見ましょう」
「ところで、大陸を統一すると言うことは、魔王城は妾にかわってカインが王になるということになるのだな」
「はい、そのつもりです。エキドナ様、許可してくださいますか?」
「構わぬよ。千年ひとりでここにおったのだ。百年足らずをお主に捧げるのも悪くはない。子を産んで育ててみたいしな」
エキドナは玉座から立ち上がり俺を抱きしめる。ユリアとエリーゼはここにはいない。邪魔するものはいない。
「カインよ、素直に妾を受け入れろ。この体好きにしていいのだぞ?」
「エ、エキドナ様」
エキドナは俺の唇にキスをする。そして舌を絡ませてきた。そして視界が暗転する。転移の魔法を使われたようだ。ここはエキドナの私室のようだ。
「さあ、人間の欲望のひとつである色欲を妾に好きなだけぶつけるが良い、愛しているぞカイン」
「エキドナ様!」
俺は心の中でエリーゼとユリアに謝りつつも、欲望をエキドナにぶつけた。
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翌朝俺はベッドの中で目を覚ました。隣には裸で眠るエキドナがいた。
「やってしまった…。エリーゼ、ユリアごめん」
ベッドには証である赤い染みが残っていた。もう後戻りはできない。
「おはようカイン、昨晩は激しかったな。初めては痛いというのは本当だったな」
目を覚ましたエキドナが下腹部をさすっている。
「エキドナ様、申し訳ありません!」
俺はベッドの上で土下座した。
「謝ることは無い、妾から誘ったのだ。千年経ってやっと生娘で無くなったのは感慨深いものよ。ところで」
エキドナの視線が俺の下半身に向く。
「お主のそれはまた元気になっておるようだの。さあ、もう一度欲望をぶつけてくると良い」
「エキドナ様!」
こうして俺はしばらくエキドナとともに爛れた性生活を送るのであった。




