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Real~Beginning of the unreal〜  作者: 美味いもん食いてぇ
最終巻 White-out 1章〜百人百様〜

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Noel

ゆうひどら (@Yu_Hydra0319) · Twitter


なんとこの度、『ゆうひどら』先生からノエルのファンアートが届きました。その美しさに膝をつき、拝み倒してください。

挿絵(By みてみん) 


 ……人は弱い。モンスターに喰われるためだけの、無価値な種族。


 ……嘗ては、ノエルもそう思っていた。


「……」


 彼女は小高い丘の上から、京の街を見下ろし、ゆまに作ってもらったお弁当を開き、サンドイッチをムシャムシャと食べ始めた。


「……(もぐもぐ)」


 彼女は風に髪を靡かせながら、思考する。


 人は弱い。しかし人はそれを理解している。故に強い。


 脆く、儚い命を燃やし、技術や信念を後世に残し、種族の頂点に君臨した。


 ノエル達モンスターは、個での完成度が種族間の強さの絶対的指標となる。

 しかし人間は己の脆弱性を知るが故に、個ではなく群としての完成度を追求した。


 それがノエルの学んだ、地球、という星の歴史。


 しかし今、『魔素』という新元素の出現により、人間は新たな力を得た。

 それによって、個としても突出した力を持つ人間が出始めた。


「……」


 ……個で完成した存在が群を作れば、その力は乗算され、果てしなく膨れ上がる。


 時に奴隷が王を倒し、民衆が国を滅ぼし、


 ……人間が神を殺す。


 正直、ノエルが負ける姿は想像がつかない。

 けど、何せ敵が多い。人間は勿論、同族に、同胞からも命を狙われる。

 そしてそれは、未来永劫変わる事のない宿命。


 ノエルが『大地の王』として生まれ落ちた以上、一生付き纏う厄介な業。


「……(もぐもぐ)」


 ノエルには、過去の記憶は無い。


『大地』の前任者がどういった奴なのかは知らないし、なんで地球という星にいきなりノエル達が生まれ落ちたのかも知らない。


 でも、この世界に、自分と同じ『王』が他にもいることは分かる。


 なんで同胞がノエルを狙ってくるのかも分かる。


 これは知識とかそういうのじゃない。本能。


「ん〜〜、……どしよ」


 彼女は芝生に寝っ転がり、揺蕩う雲を眺める。


 今最も警戒すべきは、ノエルよりも強い同胞の出現。

 ノエルは最強、でも所詮生まれたばかり。ノエルより強く、優秀な力を持った同胞が現れても不思議じゃない。


 ……それに、


「……」


 彼女は、いつも隣にいる、自分のパートナーの顔を思い浮かべる。


 今、こうして余裕を持って人間社会に溶け込めているのも、マサがいるから。


 どれだけ強い敵が来ても、マサと2人なら勝てる自信がある。


 だからこそ、いつかは、……この事実を、伝えなきゃいけない。



 ……ノエルが近くにいる以上、マサはこれからも傷ついてゆく。



 その事実を知った時、マサがどういう顔をするのか……ノエルは怖い。


 別に気にしないと思う反面、それは嫌だと捨てられてしまう可能性が、どうしても頭をよぎる。


 マサは特殊だ。人じゃないというか、最も人に近いというか……その感性はずっと一緒にいたノエルでも計り知れない。


 マサがどういう結論を出すのか、ノエルには分からない。



「ん〜〜」


 彼女が頭を悩ませながらゴロゴロと転がっていた、


 とそこへ、


「おーい」


 当の本人が手を振りながら歩いて来る。隣には歩き疲れてげっそりしている有栖と、それを笑うゆまの姿も。


 東条は芝生だらけのノエルを持ち上げ、服をはたく。


「何やってんだお前?てかピクニック行くなら誘えや」


「ノエルも1人になりたい時がある」


「な〜にませたこと言ってんだ?お前みたいなガキは何も考えず、食って寝て遊んでりゃそれでいいんだよ」


 そう言い笑う彼の顔を見て、


「……んっ」


 ノエルも笑い、その問題を胸の中に押し込んだ。






 人の数だけ生活があり、人の数だけ想いがある。


 揺れ動く心模様は千差万別。


 錯綜する策略と疑念は絡まる糸の如く。




 ――そしてそれは、人間だけに言えることではない。




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― 新着の感想 ―
[良い点] ノエル可愛い!ファンが着くのも当たり前だな。 (そして読者にロリコンが増える可能性がw) [一言] ノエルが黄昏てるなぁ。ノエルにも理解出来ないマサの内面とは一体…。
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