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Real~Beginning of the unreal〜  作者: 美味いもん食いてぇ
3章 おはよう絶望。さよなら人間。

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24話

アスレチック行った。股裂けた。

 


 §



「おいおい何の音だ?」


 カーテンを開ける藜の目に、遠方で立ち昇る火煙が映る。


 にやりと笑う彼を見た笠羅祇は、よっこらせ、と立ち上がり刀を担いだ。


「来たか?」


「ああ。出るぞ笠羅祇」


「へいへい」


 準備を始める二人の元に、慌てた部下が扉をノックし入ってくる。


「っボス!爆発です!」


「分かってる分かってる。俺と笠羅祇は今から出るから、お前達はこの場所を死守しろ。と言っても、ここにはあまり来ないだろうけど」


 藜の予想では、奴等が攻めてくるとしたら恐らくここではなく、紅が守っている電力施設だと考えていた。


「うすっ。姉御の元には何人送りましょう?」


「いや、行かなくていいよ。あいつ等は一つの隊として完成してるからね」


「ああ。下手に助けに行くと、巻き込まれて主等が死ぬぞ?」


「う、うっす!」


 ビシッとスーツを着こなし、ロングコートを羽織る藜と笠羅祇。


 部下は二人の歩き出しに合わせて頭を下げ、扉を開けた。


 その先に続くのは、ボスの復讐を見送る、部下達による壮大な花道。


「いってらっしゃいやせ‼」


「「「「――ッいってらっしゃいやせ‼」」」」


「……おう」


 ビリビリと響く激励を闘志と殺意に変え、藜は怨敵との邂逅を夢見て、口角を獰猛に歪めた。





 §





 場所は皇居前発電所。


 人の気配が全くなくなったその場所で、紅は一人空を見上げ、ゆったりと紫煙をくゆらせていた。


 ポケットの中でなる携帯を取り出し、煙草を地面に捨て踏みつける。


「どうしたボス」


『いや何、死んでないかと心配でね』


「切るよ」


『悪い悪い、冗談だよ。猿はまだ来てないみたいだな』


「……丁度今、私の美貌に惹かれて集まって来たよ」


 電力施設を囲む様に突如として現れた生体反応を感知し、紅は眼光を鋭くした。


『お、そうかい。それじゃあ、なるべく施設を壊さずに頑張ってくれよ』


「善処するよ。そっちも頑張りな」


『ああ。……死ぬなよ』


 藜の真面目な声に、彼女は吹き出す。


「あははっ、誰に言ってんだよボス?私を信用できないって?」


『何を言う、切実な願いだよ』


「そんな事を考える前に、あんたにゃやらなきゃいけない事があるだろ?」


『……そうだな。お互い死なないよう頑張ろうや』


「ああ」


 通話を切った紅は、一つ伸びをして新しい煙草を銜える。

 バチッ、と電気が走り、先端に火が付いた。


「すぅぅ、ふぅ~……よくもまぁぞろぞろと。……(百、いや、百二十はいるな)」


 探知圏内に入った敵の数を正確に割り出す。


 彼女は魔力探知と属性を組み合わせることで、探知可能な範囲を大幅に広げ、且つ生物の生体電気を感じ取ることが出来る。

 膨大な魔力量を誇る彼女の索敵範囲は、実に半径三百mを越えるのだ。それは電力施設を丸ごと覆える程。


 三百六十度どの角度から近づこうと、紅にはその動きが手にとる様に分かる。


 正面から下卑た笑みを浮かべ歩いてくる赤ゴリラに、獰猛な笑みを返す。


「ようこそ地獄へ。エテ公諸君、と、犬畜生」


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― 新着の感想 ―
[一言] 藜動く!これは大学に向かいそうですかね。来たらかなりの戦力だが、新はまた反発しそう。
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